宇宙で初めて子供を産んだ動物はメダカ

1994年、日本人初の女性宇宙飛行士・向井千秋さんとともに4匹のメダカが宇宙飛行しました。そしてこのメダカは、脊椎動物として初めて、無重力状態の宇宙で産卵、さらに幼魚のふ化に成功しました。

例えばニワトリの場合、卵の中でヒナが成長するために重力が必要なので、無重力空間では卵からふ化しませんが、魚類のメダカはふ化することができます。特にメダカの中には、重力が小さい状態に適用しやすい系統がいるため、この実験に選ばれました。

出産後に地上に戻ってきたメダカは、しばらくは浮き袋の使い方を忘れてしまい、水槽の底に沈んだまま動けなくなっていたそうですが、やがて普通に泳げるようになりました。また、宇宙に行ったことによる子孫への影響も特に見られなかったそうです。

これらの宇宙メダカの子孫は、全国の学校などの施設に配られ、現在も子孫を増やしていっています。子孫を展示している科学館などもいくつかあるので、興味がある方は調べてみてください。

宇宙空間では背が伸びる

宇宙飛行士は宇宙に行くと、身長が数センチ伸びます。だいたい1~2センチ伸びるということが多いようですが、中には7センチ以上伸びた人もいるそうです。

身長はふつう立って測定しますが、地球上で直立するときは頭から足の方向に重力が働きます。このとき、背骨を構成する骨の継ぎ目や、足の関節などが圧縮された状態になります。しかし無重力では、地上で圧縮されている部分が解放されるため、背が伸びるというわけです。

他にも、無重力では様々な体の変化が起きます。たとえば体液が下に引っ張られなくなるため、地上よりも上半身に体液が多くなり、顔がむくんでムーンフェイスという丸顔になってしまうという現象がよく知られています。また、鼻の粘膜もむくんでしまうため、宇宙飛行士は鼻詰まりをよく経験するんだとか。また、「宇宙酔い」という症状もよく見られる現象です。

逆に、宇宙飛行士が地球に帰った際には、立ちくらみがよく起きるのだそうです。これは宇宙よりも重力が大きい地上では、心臓から頭に血液を届けることが大変になるからです。