天王星は、とても臭い

2018年にNASAは、太陽系第7惑星の天王星を覆う雲に、硫化水素が存在していることがわかったと発表しました。この硫化水素は、温泉や腐った卵が臭う原因となる物質です。

研究したチームは、ハワイ島の天文台に設置した赤外線望遠鏡を使って、天王星の雲が反射する太陽の光を観測することで、雲に含まれる成分を調査しました。そして、10年近くかけた分析の末、硫化水素が含まれることが確認できました。これを観測した研究者は「以前から臭う、つまり怪しいと思っていたが、ついに尻尾をつかんだ」とコメントしたそうです。

天王星は水色に見えるきれいな星なのですが、もし降り立って呼吸をすることができたら腐った卵の匂いだというのは衝撃的です。ただし、天王星の外側は氷点下200度ほどになり、実際に近づいて臭いをかぐことは不可能だそうです。もし可能だとしても、誰も試したいとは思わないでしょうが…。

われわれが見ているデネブは1400年前の姿

宇宙では、星と星の間の距離を測るときに、「光年」という単位が使われます。1光年とは、光が1年間かけて進む距離のこと。例えば、こと座の一等星ベガは地球から25光年先にあります。これはどういうことかというと、25年前のベガの光がいま地球に届いているということです。つまり、私たちが見ているベガは25年前の姿。ちょっと前にお話ししたベテルギウスはおよろ640年前の姿ということでしたね。

全天の1等星の中で、地球からもっとも離れているのは、はくちょう座のデネブです。このデネブはなんと地球から1400光年以上も離れた場所にあるといわれています。つまり、今地球から見ているデネブの姿は1400年以上前のもの。日本だったら聖徳太子が活躍していた飛鳥時代、ということになります。不思議な感じがしますね。

ちなみに、デネブはそんなに遠くにあるのに1等星として地球から見えるということは、非常に大きく、明るい星だということも意味しています。デネブの直径は太陽のおよそ200倍、実際の明るさは太陽のなんと5万から6万倍もあるということです。