もしブラックホールに落ちると、体が素粒子にまで分解される
ブラックホールは宇宙にある重力がとても強い天体です。一度中に入ったら、物体だけでなく、スピードの速い光でさえも外に出ることができなくなります。まるで穴のような天体なので、ブラックホールと名付けられました。
さて、考えるとちょっと怖いのですが、そのブラックホールにもし人が落ちてしまったらどうなるのでしょうか?まず、落ちた人は潮汐力という力によって細長く引き伸ばされます。このとき、外の景色はだんだん青く、視界が狭くなっていきます。そして、ブラックホールの中心近くにまでいくと、体が素粒子レベルに分解されてしまいます。
一方、この現象を外から観察すると、落ちていく人は徐々に赤くなって、中心付近で止まってしまうかのように見えるそうです。このような不思議な現象が起きるのは、強い重力によって、空間と時間がゆがんでいるからです。
ちなみに、これまでのところ地球にもっとも近いブラックホールがあると考えられているのは、150光年先のヒアデス星団だそうです。
もし巨大なプールがあれば土星は浮く
土星は、太陽系の中では木星に次いで2番目に大きな惑星です。輪をのぞいた土星本体の直径は地球のおよそ9.5倍、体積は755倍、質量は100倍近くあります。ところが、もし太陽系全部が入るほどの大きなプールがあったと仮定すれば、土星だけ水に浮いてしまうとされます。これは、土星の平均密度が水の0.7倍と、水よりも軽いからです。
なぜ平均密度が小さいかというと、土星は主に水素やヘリウムといった軽い元素で形づくられているためです。土星の中心には、岩石と鉄と氷でできた核があり、これが惑星の重さのおよそ20%を占めています。その上を、高い圧力で金属的な性質の状態になった水素の層が、およそ1万キロという厚さで覆っています。さらに上には水素とヘリウムがまざった層があります。私たちから見える土星の表面は、そのまた上の層にあたる、メタンやアンモニアの雲です。
このような惑星内部の構造や大気は木星もよく似ているのですが、土星の方が圧力が小さく、ゆるく固まっているため、密度が小さいのだそうです。