天王星や海王星ではダイヤモンドの雨が降る

太陽系の惑星のうち、外側をまわる天王星と海王星は青く見える美しい星です。これは天王星や海王星の大気にあるメタンが青色以外の光を吸収するためです。そして、天王星と海王星の内部では、高い圧力によって、このメタンが分解されて変質し、ダイヤモンドの結晶になるとされています。

このダイヤモンドは中心核に向かって沈んでいき、その様子は「ダイヤモンドの雨」と呼ばれています。ただし、雨といっても地球の雨とは様子が違い、天王星や海王星の氷の層をゆっくりと沈み込んでいくような現象です。また、天王星と海王星では、海王星の方がダイヤモンドの雨の現象は大規模だそうです。

このダイヤモンドの雨ですが、太陽系の外では海王星や天王星のような巨大な氷の惑星が一般的にみられることから、実は宇宙のあちこちで発生しているかもしれない現象なのだとか。

また、このダイヤモンドの雨は、惑星内部の環境を研究室で再現することにより、地球上でも実証することに成功した研究者がいるそうです。

土星の環は消えることがある

美しい環が特徴的な土星。その環は我々の目には平たい円盤のように見えますが、実際は主に直径10メートルより小さい氷のかたまりが集まって構成されているそうです。

この環の見え方は時期によって実は変化しています。土星は環の傾きを保ったまま、太陽のまわりをおよそ30年かけて一周します。この公転周期の半分にあたる15年に1度、環がほとんど見えなくなる時期があります。

この現象は「環の消失」などといわれます。しかし、実際に環が無くなってしまうわけではなく、この時期は我々が土星の薄い環を真横から見るような位置関係にあたるため、あたかも環が消えてしまったかのようになるのだそうです。

さて、今お話ししたのは周期的に土星の環が見えなくなるということですが、環そのものも、いずれ本当に消滅してしまうと考える研究者もいるそうです。土星の環の将来は、構成する氷のかたまりが供給される量と土星に降り注ぐ量のバランスで決まり、早ければ1億年後にはなくなるといわれています。そう考えると、私たち人類は、ちょうど土星の環が美しく見える時代に栄えているといえますね。