人工衛星は増えすぎている

通信、GPSなどの運用や気象観測など、現在の我々の生活に欠かせない人工衛星。しかし、今や人工衛星が多すぎるという問題が発生しているのはご存じでしょうか。

「人工衛星増えすぎ問題」の直接的な原因になっているのが、イーロン・マスクのスペースX社が手掛けている巨大通信衛星網「スターリンク」。スターリンクは辺境の地でもブロードバンドでのインターネット通信を可能にするもので、能登半島地震でも役立ちました。スペースXはこのスターリンクの人工衛星を一度に数十という単位で打ち上げることもあり、その数は急増しています。

人工衛星が増えすぎると何が問題かというと、天文学者が遠くの銀河や星などを観測するのが困難になるということが挙げられます。人工衛星が望遠鏡の視野を通ると、非常に明るくなってしまうからです。特にスターリンク衛星の場合、低い軌道を飛行するため、高い軌道の衛星と比較して、太陽の光を反射した時に明るく見えてしまうそうです。

この衛星による天文観測への影響を防ぐため、スペースXも衛星の塗装を黒くしたり、太陽の反射を抑える日除けをつけたりさまざまな取り組みをしていますが、通信への影響が出てしまうことが分かり、まだ解決できていないのが現状だそうです。

人類が宇宙で初めて行ったスポーツはゴルフ

1971年、アポロ14号のアラン・シェパード船長は、月面でゴルフのショットを行いました。これが宇宙で行われた最初のスポーツだといわれています。

宇宙に行くにあたっては、クラブ1本でも持ち込むのは大変です。しかし、何とか月でのゴルフを実現したいシェパードは、岩石の採集作業をするときのスコップの先に6番アイアンのヘッドをつけてクラブとして使えるようにしました。

月でゴルフのショットをするという歴史的瞬間はテレビ放送され、世界の注目を集めました。しかし、宇宙服と宇宙飛行士用の手袋では両手でクラブをうまく握ることができず、しかも月は見渡す限りのバンカーという難易度の高いコース。1打目は砂埃が上がっただけのダフリでした。しかし、2打目はまっすぐ飛び、さらに3打目は会心のショットとなりました。月の重力は地球の6分の1ですが、どれほどの距離が出たのか聞かれたシェパードは、「何マイルも、何マイルも、何マイルも…」とコメントを残したそうです。