人間よりもイヌの方が早く宇宙に行った

ガガーリンが人類初の有人宇宙飛行に成功したのは1961年のこと。しかし、その4年前の1957年、人類に先立ってイヌが宇宙空間に行きました。このイヌはモスクワの通りで拾われた「ライカ」と呼ばれる雑種犬。人工衛星「スプートニク2号」で大気圏外に飛び出しました。

ところが、このスプートニク2号は、大気圏に再突入したときに壊れないという設計にはなっておらず、ライカは打ち上げ前から、宇宙開発のために犠牲になることが決まっていたそうです。当時の公式発表では、ライカはミッションの最後に毒を混ぜたえさを食べ、安楽死したことになっており、これが長らく信じられていました。

しかし、打ち上げから45年後に、打ち上げに関わっていた研究員によって、発射後たった数時間で、ショックと熱による極度の過労のためライカはすでに死んでいたことが明かされました。ライカの亡き骸を乗せたスプートニク2号は軌道を回ったあと、大気圏への再突入して燃え尽き、悲しい最後を遂げたということです。

宇宙飛行中、酸素タンクが爆発して地球に戻れない危機に陥った事件があった

1970年4月、アメリカの有人宇宙飛行船アポロ13号が月に向かうために打ち上げられました。8ヶ月前には11号が初の月面着陸を達成していることから、かなりの期待を受けていましたが、なんと発射から56時間後、地球からの距離およそ33万kmあたりでエンジンや燃料を積んだ支援船の酸素タンクが爆発を起こし、月面調査どころか、地球に帰還することすら難しい状態へと陥ってしまいました。

爆発の影響で機内には電気や酸素、水はほとんど残ってなく非常に危険な状態で、船内だけでなく、地上でも職員総出で救出活動を行い、動員された人数はなんとおよそ2万人、さらには全米中のコンピュータを駆使して無事帰還できるように取り組んだそうです。

その結果、4日後に13号は南太平洋の海上に無事着水。誰一人亡くなることなく帰還できました。

この事故の原因は酸素タンクの温度調節装置が故障しており、それに誰も気づかなかったというものでした。NASAではこの事故をきっかけに、より厳重な安全対策が行うようになったそうです。