プロデューサーの“大きな嘘”

 報告書のなかで注目されているのが、日本テレビ側の制作スタッフが小学館側に嘘の説明をしていた点だ。昨年10月、芦原さんはある撮影シーンについて不審な点があったため制作スタッフに問い合わせたところ、実際の撮影はその5日後に予定されていたにもかかわらず、スタッフは当該シーンは撮影済みである旨を回答。スタッフは「当該シーンの撮影のために2か月にわたってキャスト・スタッフが入念に準備を重ねていたため、撮影変更はキャストを含め撮影現場に多大な迷惑をかけるので避けたいと思って咄嗟に事実と異なる回答をしてしまった」という。この一件を受け、「本件原作者は『制作サイドから何を言われても信用できない』という思いを抱いた」(報告書より)。

 キー局関係者はいう。

「プロデューサーが原作サイドや脚本家、キャストの所属事務所などから要求を受け、理由が別のところにあるにもかかわらず、スケジュールやスポンサー、制作予算の都合などをあげて『すみませんが、こういう事情で難しいです』と説得することはある。ドラマ制作は膨大な数の関係者がいるため制作スケジュールを守ることが何よりも重要なので、ときにそういう言い訳を使うのは、やむを得ない。ただ、撮影していないシーンをすでに撮影が終了していると言うのは“明らかな嘘”“大きな嘘”なので、バレると信用関係が崩壊する。どうしてもやむを得ない事情があったのなら、プロデューサーがしっかりと説明すべきだし、もし仮にプロデューサーによる何らかの落ち度が原因だったのであれば、素直に謝罪すべき」