■ヴィンチャ文字

 1875年にヨーロッパ南東部(現ルーマニア)で発見された「ヴィンチャ文字(Vinca symbols)」は新石器時代のヴィンチャ文化に関連しており、先史時代のシンボルの最も古く、最も広範なコレクションの1つである。「古ヨーロッパ文字」とも言われるこれらの文字は紀元前5300~4500年頃に遡り、陶器、置物、その他の品物を含むさまざまな工芸品に刻まれていた。

まだ解読されていない謎の古代文字&古文書トップ10
(画像=「Ancient Origins」の記事より,『TOCANA』より 引用)

 1000を超える異なる文字で構成されるヴィンチャ文字は、複雑で多様な幾何学的形状、線、モチーフを表現しているが、その意味と目的は依然として深い闇の中である。既知の言語で書かれた関連文書や碑文が存在しないため解読する取り組みをいっそう複雑にしている。

 ヴィンチャ文字は宗教的または儀式的な意味、コミュニケーション、または初期の情報記録形式など、複数の目的を果たした可能性があり、その複雑さと豊富さはこの時代に洗練されたコミュニケーションシステムや象徴主義が存在していたことを示唆している。