「今回はネピネピにしようか?」「いいけど、ネピネピって何?ネピアじゃないの?」

ドラッグストアに買い出しに行った時の私と家内の会話です。

昭和の時代、ティッシュペーパーの4大ブランドといえばクリネックス、スコッティ、ネピア、そしてエリエールでした。そのうちクリネックスは今でもクリネックスなのですが、残りの3つはなぜか商品名が令和になってみると変わっています。

具体的にはスコッティフラワー、ネピネピ、そしてエリエールイーナです。なんで商品名が変わってしまったのでしょうか?

■昔は2種類あったティッシュのJIS規格

実はこれまで長い戦略コンサルタント人生を歩んできたこの私、今から40年前、新卒で最初の仕事がティッシュの流通戦略のお手伝いでした。

そのため社会人として最初に叩き込まれた業界知識がティッシュというわけです。その時の古い話から始めさせていただきます。実は昭和の時代、ティッシュには大きさについて二種類のJIS規格がありました。

大手の4大ブランドは大きい方のJIS規格で、枚数は記憶では当時200組が標準だったはずです。もうひとつ小さい規格があって、これは今はM&Aでなくなってしまったホクシーという会社のティッシュがその大きさでした(現在ホクシーは王子ネピア内のブランド)。

ホクシーは昭和の時代、スーパーでより安いティッシュを買いたい顧客向けの商品で、枚数は150組程度、価格は大手よりも大幅に安かったものでした。