回転寿司チェーンで業界1位の店舗数を誇るスシロー。ここ最近、くら寿司やはま寿司と比べて「値段が高い」「ネタが小さい」といった声がSNS上で増えている。そこで今回は、フードアナリストの重盛高雄氏に、SNSでこうした声が出ている背景や評価、さらには、今もっとも行くべき回転寿司チェーンはどこなのかについて話を聞いた。
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業績は堅調
まずは、2023年の回転寿司チェーン全体の業績の傾向を見ていきたい。
「日本フードサービス協会のJF外食産業市場動向調査『持ち帰り米飯/回転寿司』のカテゴリにおける23年1月から12月までの年間データを見ると、22年比では売上106.3%、店舗数99.0%、客数100.2%、客単価106.1%となりました」(重盛氏)
23年には、醤油ボトルをなめる、別の客が注文した寿司にわさびを乗せるなどの迷惑行為を撮影した動画がSNS上で拡散。回転寿司チェーン店に対する衛生面への不安から、業界全体が大きな打撃を受けた。スシローの運営会社であるFOOD&LIFE COMPANIESの株価は、1日で5%近く下落し、時価総額にして170億円相当を失った。それでも、年間を通して見ると好調な理由はなぜだろうか。
「業界全体が素早く対応したことで、業績の回復が早期に実現したと考えています。寿司をレーンに流さないようにする、AIや店員による監視を強化するなど、各社さまざまな対策を講じました」(重盛氏)