
図5 4回目ワクチン接種率と抗N抗体保有率
最近、Science誌に掲載された研究注1)で、
3回のワクチン接種により、武漢株、アルファ株、デルタ株に対する抗体結合反応、中和抗体の産生、メモリーB細胞の頻度、T細胞免疫能の増強が見られたが、オミクロン株に対しては増強の抑制が見られた。 3回ワクチン接種後にオミクロン株に感染すると、他の変異株に対する免疫能の獲得は見られるも、オミクロン株に対する免疫能の獲得は見られない。
ことが報告された。
ワクチンを3回接種するとオミクロン株に対する免疫能が特異的に抑制されるようである。本論考で検討した新規感染はオミクロン株によるものなので、ワクチン接種後に見られる免疫能の抑制は、ワクチンを打つほどコロナに罹りやすくなることをうまく説明できる。3回接種で見られる現象ならば、4回接種後にはより顕著になると思われる。
日本では5回目接種が始まっている。周りではワクチンを5回目接種したのにもかかわらず、コロナに感染したという話もよく聞く。最もワクチンの効果が期待できる5回目のワクチンを接種してから1ヶ月後に、政府分科会の尾身茂会長がコロナに感染したという報道に接するとワクチンの効果に疑問を持たざるを得ない。
今回の検討結果は、ワクチンの追加接種を積極的に進めるわが国にとって、重要な意味を持つだけに、多方面からの検証を望む次第である。
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注1)Immune boosting by B.1.1.529 (Omicron) depends on previous SARS-CoV-2 exposure
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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