第6波での感染者数が多い沖縄や大都市圏が集団免疫を獲得したことにより、第7波の新規感染者数が少ない可能性は考えられる。11月30日に開催されたアドバイザリーボードで各都道府県における抗N(ヌクレオカプシド)抗体の保有率が発表されたので、集団免疫と新規感染者数との相関も検討可能である。
抗S(スパイク)抗体はワクチン接種後の抗体保有状況を示す。一方、抗N抗体はワクチンの接種では獲得されないので、抗N抗体を検出することで過去のコロナ感染歴を調べることができる。実際、人口10万人あたりのコロナの既感染者数と抗N抗体の保有率との間には正の相関が見られた(図3)。

図3 抗N抗体保有率と既感染者数
新規感染者数の増減に関わる因子として、1)4回目ワクチン接種率、2)コロナ感染の既往歴、3)PCR検査数、4)抗N抗体保有率を選び、新規感染者数との相関を検討した。