■妻の変節

 キャメロンは四六時中、コリーンとばかり過ごすようになっていた。ジャニスはますます彼女に辛く当たるようになっていたが、キャメロンは嫉妬にもがき苦しむジャニスの姿すら楽しんでいた。彼にとって女性とは「拷問を受けるために生まれてきた」もので「自分を喜ばせる存在」でしかなかった。

 誘拐されてから7年が経った1984年、コリーンは「ご主人様の家計を助けたいから外で仕事をしたい」とキャメロンに頼んだ。逃げたいという気持ちは一切なく、ただ棺桶のような箱から出て、1分でも長く外にいたいという思いからだった。どんな拷問にも強姦も耐えられたが、あの狭い箱に閉じ込められることにだけには、いつまでたっても慣れることができなかったのだ。キャメロンはこれを許可し、コリーンは近所のモーテルで清掃員の仕事に就いた。

【閲覧注意】「小箱に詰められた女」事件 ― 7年監禁・拷問“完全なる性奴隷”を育てた鬼畜キャメロン・フッカー!
(画像=コリーンが閉じ込められた箱。画像は「Mirror」より引用,『TOCANA』より 引用)

 外で働いている間は、拷問も強姦も箱に入れられることも、さらにジャニスからいじめられることもない。コリーンは嬉々として仕事をこなした。この頃から彼女は帰宅後、箱ではなく、トイレで首にチェーンをつけられ監禁されるようになった。また、キャメロンはコリーンとジャニスと3Pをするようにもなっていた。

 完璧な性奴隷を作ることに成功し、気をよくしていたキャメロンは、地下牢を作ってどんどん女を誘拐し、監禁して性奴隷を増やすと言いだした。さすがのジャニスもこの思想には驚愕する。元はといえば自分の提案でコリーンが完全に洗脳された奴隷にされてしまったことや、キャメロンの性的サディズムをエスカレートさせてしまったことを後悔するようになった。コリーンへのいじめや嫌がらせを止め、普通に会話をするようになると、ジャニスは少しずつ正気を取り戻していった。

 これ以上、他の女とキャメロンをシェアしたくないと悩んだジャニスは、1984年8月9日、地元の教会の牧師に全てを打ち上げた。牧師は「正しいことをすべき」だとジャニスを諭し、ジャニスはその足でホテルで働いているコリーンの元へ行き「カンパニーなんていない。全て嘘。目を覚まして」と伝えた。コリーンは最初、何かしらの罠なのではないかと警戒し、混乱したが、よくよく考えたらおかしな話だとすぐに正気に戻った。

 コリーンはホテルから逃げ出し、父親に「今から家に帰る」と電話をした。そしてバスに乗る直前、キャメロンに電話をし「もうそこには戻らない」と伝えた。コリーンの口調から、キャメロンは洗脳が解けてしまっていることを悟った。彼は電話口で号泣し始めたが、コリーンの心はもうぴくりとも動かなかった。そして、電話を切って実家に帰るためバスに飛び乗った。20歳で誘拐された彼女は、すでに27歳になっていた。