各種調査のオリコンでは、各分野の「顧客満足度調査」を実施しており、住宅関連でも分譲マンション、建売住宅、注文住宅などが対象となっています。これからマイホームの購入を考えている人にとっては、先輩たちがどんなふうに選択したのか、たいへん参考になる調査といっていいでしょう。
住宅を買って住んでいる人たちの評価
オリコンの「顧客満足度調査」の分譲マンション、建売住宅、注文住宅に関する調査は、過去12年以内にマンションや建売住宅を買ったり、注文住宅を建てた人を対象に実施されており、たとえば、首都圏の分譲マンションではサンプル数が8647人に達しています。実際に買ったり、建てたりしたあと一定期間居住した人たちの満足度に関する調査ですから、かなり信頼性が高いデータといっていいのではないでしょうか。しかも、各分野別の総合ランキングだけではなく、どんな点が評価されたのか、評価項目別のポイントも見ることができます。たとえば、分譲マンションについては、「立地」「情報提供」「周辺環境」など10項目にわたって評価項目が設定されています。
住まい選びに当たって、自分たちが重視する項目については、どの会社のポイントが高いのかなども分かるようになっているわけです。これから、マイホームを購入したいと考えている人にとっては、購入先を選ぶ上でたいへん参考になるはずです。
首都圏の分譲マンションのトップは三井 まず、分譲マンションに関する満足度をみると、首都圏のベスト10は図表1のようになっています。トップになったのは、不動産業界最大手の三井不動産グループの三井不動産レジデンシャルでした。前年の2位から1位になりました。同社がトップになったのは、2017年の調査開始以来、初めてのことだそうです。ただ、トップといっても2位以下との差はほとんどありません。三井不動産レジデンシャルは74.3ポイントで、2位の住友不動産と東急は74.2ポイント、4位の野村不動産は74.1ポイントです。1位から4位まで74点台の前半で密集しています。
評価項目別のポイントをみると、三井不動産レジデンシャルは11の評価項目のうち、「住戸の構造・設計」がトップで、「デザイン」「マンションの構造・設計」「価格の納得感」「アフターフォロー」の4項目が2位、「立地」「情報提供」「引渡し時の住戸確認」「住戸設備」の4項目が3位でした。評価項目別のランキングの1位は1項目だけですが、幅広く、各項目で評価を得ていることが、総合得点でのトップにつながったようです。なお、蛇足ですが、ここで2位に上がっている東急は、旧東急電鉄のことで、東急不動産とは別会社です。ちなみに、東急不動産は11位にランクされています。
