クリミア半島でのウクライナ優性で大きく動く
「北コーカサス民族連邦」独立委員会が想定しているのは、ウクライナが戦争に勝利、とくにクリミア半島で勝利した場合、独立運動を本格化させること。
ウクライナが勝利にまでに至らなくても、優勢(とくにクリミア)が一定期間維持されれば、事態が大きく進展するだろう。
その場合、クリミア半島から「北コーカサス軍」が北コーカサスに侵入することも想定内にあるのだ。クリミアと北コーカサス(ロシア本土)を隔てるケルチ海峡は、クリミア大橋で結ばれている。
北コーカサス民族連合構想の企画者たちは、これにより、ロシアの黒海へのルートを塞ぐことを想定している。
現実には、北コーカサスに構えるロシアの傀儡チェチェン武装勢力「カドゥイロフ部隊」も控えているし、黒海を望むノヴォロシスク基地をロシアが明け渡すはずもない。
現時点では「構想」の段階にあり、目論見通りに進む保証はどこにもない。だが、各民族の様々な人々がこの構想に関わり、着々と準備を進めていることは事実だ。
独立委員会が結成された11月8日の会議では、世界各国からの代表や欧州議会議員なども参加し、民主主義を基盤とし西側と協調していく姿勢を示している。
106年前の「山岳共和国」独立も、その数年前まではロシア帝国からの独立が実現できるなどと、多くの人は考えていなかったであろう。
ロシアの少数民族とウクライナの抵抗が連携することを前提とした「北コーカサス民族連合構想」は、ロシア全体をも動かす契機になるかもしれない。



クリミアと北コーカサスはつながっている。
(文=林克明/ジャーナリスト)
●参考文献 「ロシア・チェチェン戦争の628日~ウクライナ戦争の原点を探る」(清談社)
●関連イベント
「侵攻から2年、ウクライナをめぐる課題と北コーカサス山岳民共和国連邦再興構想」
日時:2月3日(土)午後6時半~9時
会場:千代田区富士見区民館2階洋室A
発言者:岡田一男(映像作家)、青山正(チェチェン連絡会議代表)、林克明(ジャーナリスト)、常岡浩介(ジャーナリスト)谷川ひとみ(北コーカサス史・博士課程在籍)
司会・進行役:青山正
主催:チェチェン連絡会議
提供元・Business Journal
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