■次々と浮かび上がる余罪

 捜査を進めていくうちに、警察は2004年に起きた未解決事件に突き当たった。バラバラ遺体となって発見された3人の子持ちのシングルマザー、ヴェロニカ・マルティネス・カサルビアとホセが、短期間であるが交際していたことを突き止めたのである。この事件では、被害者の頭部と胴体が段ボール箱に入れられて隣町に放置されていたのだが、警察は犯人への手がかりをつかむことができず、コールドケースになっていた。

 また、2007年4月に発生したラ・ローチョという有名な娼婦のバラバラ殺人事件も、ホセによるものだと警察は確信していた。彼女の遺体もバラバラにされてスーツケースに入れられ、ホセのアパートの近くに放棄されていたのだ。さらに、ヴェロニカとラ・ローチョの2人とも、アレハンドラ同様、絞殺された後に遺体をバラバラに切断されていたのである。

 当初は2人の殺人事件を「自分は知らない、無関係だ」と否定したホセだが、やがてヴェロニカの事件については「フアン・カルロス・モンロイ・ペレスという男がヴェロニカを殺した。バラバラにするのは手伝ったが、自分は殺していない」と証言した。

 しかし、警察の取り調べを受けたフアンは、「ホセと交際していた。アナル・セックスやドラッグをやる仲だった」「ヴェロニカとは同僚だったが、彼女を殺していないし、殺してくれとホセに頼んだこともない」と主張。「ヴェロニカを殺したのはホセ。遺体をバラバラにしたのもホセだ」と証言した。

 さらにホセは、アレハンドラ殺害を「薬物でハイになっていたから」だとし、シューレースで首を絞め殺したのは「不幸な事故」だと主張した。「遺体はバラバラにしたが、切り刻んだだけで、食べてはない」と必死で否定し続けた。

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(画像=画像は「Murderpedia」より引用,『TOCANA』より 引用)

 判決が下る直前の2007年12月11日。ホセは(拘置)刑務所の独房でベルトで首を吊り死亡している状態で発見された。遺書はなく、死体の側には、刑務所の中で熱心に執筆していた詩集が置かれていた。

 司法解剖の結果、ホセは死の直前に拷問のような酷い暴行を受けた上に、肛門に棒を入れられた痕跡や、性器が潰されていたことも判明している。ホセは他の囚人から「殺す」と脅されていたため、独房に入っていたが、看守はほぼノーガード状態だったため、他殺の可能性もあるとして調査が行われた。しかし、犯人を特定することはできず、自殺と断定された。享年38だった。

 アレハンドラ、ヴェロニカ、ラ・ローチョの他にも、周辺で発生した未解決バラバラ事件の犯人もホセだと見られており、被害者は10人は下らないだろうと見られている。被害者はシングルマザーばかりだった。

 最後まで人肉食はしていないと主張し続けていたホセだが、刑務所内で執筆していた詩集には、女性を殺して切り刻み、肉を食したという詩がたくさん書かれていた。判決後、この詩集を出版し念願だった「有名な詩人」になろうとしたのかもしれない。

 なお詩集は書きかけで、なぜカニバリズムに興味を抱いたのかに関する記述は一切なく、なぜ女性を食べようと思ったのかについても不明だ。ホセの事件には今も、深い謎が残っている。

参考:「Newsweek」「Murderpedia」ほか

※当記事は2019年10月の記事を再掲しています。

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提供元・TOCANA

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