さらなる家宅捜索の結果、冷蔵庫の中から、骨を取り抜いた右脚と右腕を見つけた。冷蔵庫にはコーンフレークの箱も入っており、その中にはカリカリに焼かれた骨が入れられていた。オーブンレンジの上のフライパンで焼かれた肉、鍋の中のシチューの肉、ホセが食事をしていた皿の上の肉は、アレハンドラの右腕だった。皿の肉にはレモンが添えられており、彼がその肉を味わいながら食べていたことは、誰の目にも明らかであった。
ホセは警察が家宅捜査を行なっている最中、バルコニーから逃げようとして4階から転落。足を骨折するなどの大怪我を負い、逮捕後、まず病院に搬送された。病院には、母親も兄弟姉妹も誰も面会に来なかった。母親は「息子とは一切の関わりを持ちたくない」と拒否。メディアから取材を申し込まれた姉妹も拒否。皆、殺人犯であるホセと血を分けた家族であることを恥じ、関わり合いを持つことを拒んだ。
メキシコ連邦警察の調べに対してホセは、「アレハンドラの首を誤って絞め、殺してしまった」と説明。「遺体の肉を切り取り調理したのは、近所の犬に与えるためだった。そうすることで遺体を処分しようと思った」「自分は食べていない」と主張した。
しかし、検死官は「アレハンドラの腕の肉は骨から綺麗に削ぎ落とされ、皮膚と脂肪も綺麗に取り除かれた上で焼かれていた」「焼きあがった肉にはレモンがふりかけられており、どう考えても餌として犬に与えるのではなく、人間が食すための調理法だ」と指摘。家の中には食人について綴った本や、『羊たちの沈黙』でおなじみのハンニバル・レクターの写真も発見されたことから、彼がカニバリズム(人肉嗜食)に興味を持っていたのは間違いない、食肉したのだと検察は確定した。