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富岡製糸場周辺 町歩き
富岡グルメ
富岡製糸場周辺 町歩き
富岡製糸場周辺は町歩きを楽しめるエリアでもあります。
この辺りには呉服屋さんや酒場が多かったのだそうです。
なぜかというと、呉服屋さんが製糸場で働く工女さんに呉服を売りにきて、彼女たちはそれを給金で買っていたそうです。
製糸場で働く女性というと過酷な労働条件で苦しい生活を強いられていたというイメージがあるかもしれません(私もそう思っていました)が、当時としてはかなり恵まれており、労働時間は1日8時間、七曜制が導入されて日曜日は休み、それ以外に年間10日の休暇、食費や寮費、医療費は製糸場の負担、制服も貸与されていたそうです。
彼女たちは単なる労働力ではなく、習得した技術を故郷に持ち帰り、指導できる立場になることを期待して教育を受けていたようですのでかなりのエリートだったと言えるでしょう。
また全国から行商がやってきて工女さんに品物を売り、そのお金で製糸場周辺で飲んでいたとも言われており、飲食店や酒場が多かったそうです。
富岡の町にはどことなく懐かしい雰囲気が漂っています。
通りの向こうには西上州の山並みを望みます。
いい感じですよね~。
歩くだけでも旅気分満載です。
富岡製糸場横の通りも風情があります。
富岡製糸場の外からも敷地内の煙突を眺められます(訪問時には工事中だったため、クレーンが見えるのが残念...)
富岡製糸場の南を流れる鏑川(かぶらがわ)からは、上毛三山のひとつであり、日本三大奇景のひとつでもある妙義山(みょうぎさん)の姿を仰ぎ見ることができます。
鏑川にかかる水道橋からは富岡製糸場の建物や煙突の一部を見ることも出来ます。
お土産や雑貨、富岡製糸場の入場券を取り扱っているお店も軒を連ねています。
ここは富岡製糸場と絹産業遺産群の4つの資産の魅力を映像と展示でわかりやすく紹介している施設です。
「世界を変える生糸(いと)の力」研究所、を略してセカイトと呼ばれています。
上州富岡駅の目の前にありますので、まずこのセカイトで4つの資産の概略を掴んでから富岡製糸場や他の資産に訪れるとより理解が深まるでしょう。充実した施設ですが、なんと入場無料です。
富岡グルメ
さて、富岡製糸場周辺のグルメをご紹介しましょう。
多分に私の好み(笑)に偏った昭和レトロ風のお店が多いですが、そこがまた富岡らしいところでしょう。
高田食堂
まず最初にご紹介するお店が高田食堂。
富岡製糸場から歩いて5分ほどの場所にあります。
シンプルで清潔感のある外観です。このお店の名物は「工女さんも愛したカレーライス」です。
店内の様子はこんな感じです。
店内はさほど広くはないですが、すっきりまとまっており、町の大衆食堂といった雰囲気です。
カツカレー(800円)をいただきました(工女さんの愛したカレーは650円)
辛口で一口食べるとズンと辛みが広がります(辛すぎることはありません。)具は豚肉と玉ねぎのみ。しっかり濃いめの味でごはんが進みます。
工女さんたちが夜食に食べて仕事に励んだそうです。味は当時と変わらないのだとか。
「工女さんも愛したカレー」はレトルトでも販売していて私もお土産に買って帰りました(2つ入りで800円)。
高田食堂さん以外のお土産物屋さんでも売っていますので「見つけたら買い」ですね。
川崎屋食堂
続いては上州富岡駅前にある川崎屋食堂。
店先の食品サンプルが昭和の大衆食堂そのものです。
店内はシンプルで潔い印象を受けます。トイレは2階にありましたので、店舗兼住居なのでしょう。
この地方では、卵とじよりもソースカツ丼がメインなのだそうです。やや甘めのタレに使ったヒレ肉のカツがたっぷり3枚。
具がカツだけでは物足りないのでは?と思いましたが、なんのなんの。余計なものがないカツオンリーが良いのです。ごはんとの相性もぴったり。ワシワシと食べられます。
「自慢のスープ」とメニューに書いてありました。
その通りでした。旨みがぎゅっとつまったとても美味しいスープでした。これぞ中華そば!という感じで再訪したら必ず注文したくなる味でした。
同行のUさんが食べたメニュー。実は、私もカツ丼かカツカレーか迷った末にカツ丼を選んだのですが、カツカレーが出てきた時、「あ~カツカレーが良かったかも。。。」と唸ったほど美味しそうなビジュアルでした。実際とても美味しかったそうです。
新生軒
富岡製糸場から見て、上州電鉄の踏切を越えた住宅街の中にある食堂。外観がこちらです。
うわっ!まるで映画のロケセットのような外観。こんなお店が今も存在していたなんて。
そして店内はどうかというと。。。
うわっ、これまた映画のワンシーンのような(笑)
富岡の町は時間が昭和で止まっているのか。。。と思うほど昭和好きには感涙もののお店です。
お茶の入ったやかんも筋金入りです。
さてここで私が食べたものは。。。
なんと蓋つき!。蓋からはみ出しているのが、
じゃーん!ソースカツ丼(780円)。こちらも大きいカツが3枚。ごはんがほとんど見えないほど覆い隠されています(ちなみに川崎屋食堂のカツ丼も蓋付きでした)。どちらのソースカツ丼も肉は脂身が少なめで且つ柔らかく、意外にあっさり食べられました。
そして中華そば(550円)。
味はこれぞ庶民派大衆食堂の味です。お母ちゃんが作ったような懐かしい味。麺は柔らかめ、それでいいのです。それがいいのです。
同行のUさんが食べた帆立海鮮ラーメン(850円)。Uさんはラーメンが大好きなのですが「このラーメンは罪悪感なく食べられるあっさりしたラーメンだった」と言っていました。
そして同行のSさんが食べた本日の日替わり(11時~14時)メニュー、この日は中華丼。なんと550円。「信じられないコスパ」と言っていました。
群馬県というとなんとなく濃い味付けなのかなと思っていましたが、意外なほどあっさりして食べやすいメニューが多かったですね。
肉の岡重
最後にご紹介するのは肉の専門店「岡重」。
富岡製糸場や工女カレーの高田食堂からもほど近い銀座通りにあるいつも行列のお肉屋さんです。
こちらで食べたのがこの2品。
ホルモン揚げ。3本でなんと130円。安い!
このホルモン揚げ。実はホルモンではなくちくわを縦に3つに切ったものを揚げてソースを潜らせているのだとか。
実は食べた時はホルモンと信じて疑わなかったのですが、後で「中身はちくわ」というのを聞いて驚きました。
食べた時は全く気づきませんでした。それだけホルモンの食感にそっくりでした。
そしてのぼりにもなっているカレーパン(220円)。
カレーがぎっしり詰まっています。ホルモン揚げもカレーパンも注文してから揚げてくれるので、熱々を食べることができます。
揚げたてで油切れが良いので、思ったより軽い。胃がもたれることもありませんでした。
やはり揚げたてが一番美味い!
いかがだったでしょうか、富岡グルメ。
カツ丼と中華そばという体育会部活系がっつりメニューを年甲斐もなく2度もやってしまいましたが、味付けは思ったほど濃くなかったので美味しく完食できました。
ただ群馬県は全体的に盛りが多い(普通盛りでも大盛みたい)ようなので、注文する時は要注意です。お腹ぺこぺこにして挑みましょう。
さて次章からは、富岡製糸場以外の3つの資産に触れたいと思います。
知名度は高くありませんが、日本の養蚕業を語る上で欠くことのできない重要な意味を持つ資産です。ぜひお読みください。