インバータの説明

e-パワートレイン(e-PT)のコアとなるのが、Xin1と言われるもので、モーター、インバータ、減速機が1つのユニットになっているものだ。その中でもインバータの開発が進められており、そのコア部品、パワーモジュールの開発が進んでいた。

日産 次世代生産技術と全固体電池のブレークスルー解説
(画像=3in1のe-パワートレイン、『AUTO PROVE』より 引用)

開発目的は、コスト低減と半導体供給リクス回避を念頭に置き開発が進められている。具体的には、アリアのインバータではサプライヤーに依存してカスタマイズしたものを使用していると説明している。だが、それを手の内化するために、半導体を外出しして、汎用のパッケージに織り込んだものを作ったという。

つまりスイッチング素子の制御を日産内でアッセンブリーして、オリジナルのパワーモジュールを作ったというわけ。それを外出しすることで、サプライヤーは他の電子部品と繋ぐ工程とすれば、一つのサプライヤーに依存することなく、別のサプライヤーへ分散させることができるというわけだ。したがって供給リスク回避に繋がるわけだ。

日産 次世代生産技術と全固体電池のブレークスルー解説
(画像=モーターのステータ。銅の巻線からアルミ平角へと材料置換、『AUTO PROVE』より 引用)

材料置換

ここからは次世代車両のボディ等の開発技術についてお伝えしよう。日産は材料置換で車体の軽量化、CO2削減、コスト削減ができると位置付け、鉄からアルミにすることで重量でおよそ20%、コストもおおむね10%程度は削減できるとしている。

材料置換においてはトポロジーという概念で形状の最適化をしている。トポロジーは形状や物体の連続的な変形を見ており、基本的な性質は変化しないという概念だ。そう捉えることで鉄からアルミへの置換が進められている。

具体的にはサスペンションメンバーの展示を見ることができたが、2027年に発売予定の車両の試作品ということで、撮影はできなかった。このメンバーは2500トン級のマシンで製造できるようにしているため、世界中の工場で工作が可能になるという。

またバッテリケースも見ることができた。アリアではアルミ押し出しで成形したものだが、アルミ鋳造とすることで材料コストを低減でき、形状の最適化ができるとしている。

そしてギガ・キャストのパーツも見れた。それはリヤのフロア周りを一体化したもので、設備としては6000トン級のマシンが必要になるという。そしてこれらの接合には溶接が必要になるが、そうした接合技術についても説明があった。