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エンジンの3気筒化と角目ヘッドライトで「ミニシティ」化

エンジンの3気筒化と角目ヘッドライトで「ミニシティ」化

「新しいのも売ってるんですけど…」併売する新型を尻目に売れに売れ続けた“偉大すぎる初代”、ホンダ 初代トゥデイ【推し車】
(画像=1988年、角目ヘッドライト化と高性能SOHC12バルブエンジンの搭載で、「ミニシティ」あるいは「軽シビック」的になった初代トゥデイ後期の550cc時代PGM-FI仕様「Ri-Z」…初代「ライフ」以来となるホンダ軽乗用車の復活でもあった,『MOBY』より 引用)

モックアップ段階での横長楕円形ヘッドライトから、コストを考慮した入手しやすい丸目ヘッドライトに変更、それを収めるためボンネットやフロントバンパーを切り欠いた設計変更によって、かえってキュートな見た目になり、好評となった初代ホンダ トゥデイ。

ホンダにとっては、1970年代に初代シビックへ注力するため、撤退を余儀なくされていた軽トラ以外の軽自動車へ再参入した軽乗用車(正確には商用登録の「軽ボンネットバン」)第1号で、丸目ヘッドライトも当時のアクティや初代シティと共通イメージでした。

しかし、1985年9月の発売から3年後の1988年2月にビッグマイナーチェンジを敢行すると、それまでのイメージから一変した硬派な軽スポーツ路線へと鞍替えします。

もともと、短いボンネットにエンジンやミッションなどパワートレーンをギリギリ押し込み、ルーフは極端に低いもののテールエンド近くまで目一杯伸ばし、前後スペースの余裕でキャビンのゆとりを稼ぐという、当時のシビックと共通のパッケージだったトゥデイ。

1986年にモデルチェンジ後、1988年のマイナーチェンジで精悍な顔つきへとフェイスリフトしていた2代目シティと似たような角目ヘッドライトに、SOHCながら直列3気筒12バルブの新開発エンジン「E05A」を搭載しました。

このE05Aにはキャブレター仕様と電子制御インジェクションのPGM-FI仕様が設定されましたが、同時に追加された乗用登録版の排ガス規制対策という側面が強かったPGM-FI仕様より、キャブレター仕様の方がよく回った、という話も伝わっています。

ただしE05Aを積んだのは2年足らずの短期間で、軽自動車規格の改正で660ccへの排気量拡大が認められると、1990年2月にはボア・ストロークともに拡大した660cc版のE07Aへと更新されました。