【2】間違って乗り越してしまったとき運賃を払わずに戻っていいの?
列車に乗っているとき、うっかり乗り越してしまったことはありませんか?
通常なら、乗り越した部分の運賃を駅で精算し、もう一度目的の駅まで乗り直すことになりますよね。
しかし、JRでは故意ではないことが認められると、乗り越しても追加の運賃を払う必要はありません。この措置は「無賃送還」と呼ばれています。
もし、うっかり乗り越してしまったら乗務員に「乗り越してしまった」と伝え、故意ではないと認められた場合は「無賃送還」の手続きをしてくれるので、目的の駅までそのまま戻ることができるのです。
ただし、何度も繰り返し「無賃送還」を行ったり、悪用している疑いがある場合は「無賃送還」と見なされないので、注意しましょう。
なお、乗り越したことを乗務員に伝えず、しかも改札から出ずに折り返した場合は、折り返した部分が「不正乗車」と判定され、通常の3倍の運賃を請求されますので要注意です。
●JR東日本「第284条無賃送還」は→こちら
【3】首都圏なら100km乗っても最短区間の運賃で乗車できる!
JRの交通網が入り組んでいる首都圏では、同じ区間でもさまざまなルートで目的地に行くことができますよね。
そのとき、最短ルートではなくグルッと大回りして行った場合の料金は、いったいどうなるのかご存じでしょうか?
実は、JRの運賃は実際に列車に乗った距離ではなく、乗った駅と降りた駅の最短区間分の運賃で計算されます。
たとえば、JR「東京駅」からJR「秋葉原駅」へ向かうとき、山手線を品川経由で逆方向で秋葉原駅に向かっても、JR「神田駅」を経由して最短距離で移動しても、運賃は同じ150円となるのです。
これは「大都市近郊区間内の特例」というルールで、運賃計算が煩雑になってしまう地域に限って適応されるルール。
この特例が適用される地域は東京、新潟、仙台、大阪、福岡となっています。
当然、東京の適応範囲がもっとも広く、南はJR「伊東駅」、北はJR「浪江駅」、西はJR「松本駅」、東はJR「銚子駅」までとなっています。
ただし、「大都市近郊区間内の特例」を利用するには、下記のルールがあるのでしっかり覚えておきましょう。
■大都市近郊区間内の特例のルール
【1】同じ駅・ルートを2度通ってはいけない
【2】途中下車はできない
【3】適用時間は始発から終電まで
この特例のルールを守れっていれば、首都圏では余裕で100kmを超える乗車がたった1駅区間の料金でできてしまいます。
JR「東京駅」-JR「神田駅」では、東京-品川-茅ヶ崎-八王子-神田というルートを通れば、実に146.4kmもの電車の旅を楽しむことが可能ですよ。
筆者のような鉄道マニアの間では、このような乗車方法を“大回り乗車”と呼んでいます。
たとえば、年末の深夜営業を利用した場合には、なんと1,000kmを超える乗車も不可能ではありません。気になる人はぜひ大回り乗車ルートを調べてみてはいかがでしょうか?
●JR東日本「運賃計算の特例」は→こちら