文字起こしアプリを活用するときの注意点
文字起こしアプリは便利ですが、万能ではありません。録音環境や話の内容にもよりますが、ある程度の手直しは必要です。文字起こしアプリの活用、文字起こし用の音声録音に関する注意点を紹介します。
ある程度の手直しは必要
音質や話の内容にもよりますが、文字起こしアプリを使っても、ある程度の手直しは必要です。アプリを使っても正確にテキスト化できない部分、同音異義の漢字や似た発音の違う言葉が使われてしまう部分はあるものです。
また、文字起こしには「素起こし」「ケバ取り」「整文」という3つの段階があります。素起こしは音声をそのままテキスト化すること、素起こししたテキストから「あー」「えー」などの意味のない言葉を取るのがケバ取り、最後に「文章として読みやすく整える」のが整文です。
アプリでできるのは基本的に素起こしです。ケバ取りや整文ができるアプリもありますが、きちんとした文章に書き起こしたいなら、やはり人が微調整しなければなりません。
私的な目的で、すでに視聴したことがある音声や動画を文字起こしをするなら手直ししなくても構いません。しかし、議事録や資料、動画の字幕などを作るために文字起こしをするなら、アプリを使ってもある程度の手直しが必要です。
録音環境の影響を受けやすい
人の手による文字起こしにもいえることですが、アプリも録音環境の影響を受けやすいです。音声に雑音が入っていたり、音質がクリアでなかったりすると、文字起こしの精度が低くなります。
文字起こし用の音声は、録音機器の性能や設置場所などに気を付け、なるべくクリアな音質で録音しましょう。たとえば録音機器はポケットやカバンの中ではなく表に出しておく、話者の近くに置く、屋外で録音するときは風避けをするなどの対策が考えられます。
録音担当者(自分)の私語にも気をつけましょう。特にセミナーや講演会などの音声を録音する場合、録音する人が内容に感心して独り言を言ってしまうことが多いです。話者の話に独り言が被さってしまうと、その箇所は人でもなかなか聞き取れません。
専門用語が多い音声には不向き
固有名詞や専門用語が多い音声はアプリによる文字起こしに向いていません。これらの単語を理解し、正しくテキスト化するには前提知識が必要です。たとえば建設業の音声を文字起こしする場合、建設業界で働く人や建設関連の文字起こしや執筆が多いリライター・ライターに任せるとスムーズでしょう。
アプリで読み取れなかった専門用語は自ら確認し、辞書やインターネット検索を活用しながら修正していかなければなりません。その後、アプリの辞書登録機能やAIによる学習機能を活用し、読み取れなかった言葉をアプリに記憶させるといいでしょう。