■テラコッタ製哺乳瓶など(紀元前400年:イタリア)

 2013年、イタリアの考古学者はブタの形をしたおもちゃとしても機能する2400年前のテラコッタ製哺乳瓶(terracotta baby’s bottle)を発見した。このユニークな遺物はマンドゥリアの建設工事でメッサピア人の墓が発掘された際に発見されたいくつかの希少品のうちの1つである。

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(画像=「Ancient Origins」の記事より,『TOCANA』より 引用)

 この遺物はガトゥス(guttus)として知られている急須の一種で、ワインなどの飲み物に使用されるのが一般的だが、このユニークなブタの形状をしたガトゥスは赤ちゃんや幼児に栄養ドリンクを与えるために使われていた。またお腹の部分には赤ちゃんをあやすガラガラ(ラトル)が入っていた。

 ガトゥスの歴史は約2400年前に遡り、紀元前1000年頃にイリュリア(バルカン半島西部の地域)から移住してきた部族集団であるメッサピア人がイタリア南東部に居住していた時代にさかのぼる。ローマ共和国がこの地域を征服し、住民を同化させた後、メッサピア人は絶滅した。