■カラルのキープ(紀元前3000年:ペルー)

トールハンマー、ネブラ・ディスク…古代文明の叡智を秘めた驚くべき遺物たち【前編】
(画像=カラルのキープ 画像は「Wikimedia Commons」より,『TOCANA』より 引用)

 現在のペルーにある古代アンデス文明のカラル遺跡はアメリカ大陸最古の文明を代表する5000年の歴史を持つ大都市であった。

  遺跡で回収された多くの驚くべき遺物の中には、キープ(Quipu)として知られる結び目のある奇妙な編みヒモもある。

 実はこのキープ、ラマやアルパカの毛、あるいは綿で作った色つきのヒモで構成される“記録装置”なのだ。

 このシステムは納税義務の監視、国勢調査記録、暦情報、軍事情報に至るまで、データの収集と記録の保管に活用されていたことで知られている。

 ヒモにはエンコードされた数値およびその他の値が含まれており、かつての南米のいくつかの社会での統計情報などが保存されていた。そしてこのキープは以前に想定されていたよりもずっと古く、紀元前3000年にさかのぼる起源を持つことがわかってきている。