クロロホルムを吸わせて相手を眠らせることは、ほぼ不可能

ミステリードラマなどで、ハンカチにクロロホルムを染み込ませて、それを背後から嗅がせて眠らせるシーンをよく見かけます。しかし、現実の世界ではクロロホルムをこのように嗅がせて眠らせることは不可能です。

クロロホルムで相手を眠らせるには、クロロホルムを肺の中に行き渡らせて、そこで血液に溶かし、心臓や中枢神経に運ばれていくことでようやく眠ることができます。しかし、成人の一回に呼吸する量はおよそ500ml、肺の容量が4500mlほどだとすると、単純計算で9回以上深呼吸をしないと肺全体にクロロホルムが行き渡りません。そのため、ハンカチで含んだ程度の量を一回呼吸するだけでは、意識を失うことはまずありません。

なぜ、このような誤解が生まれたかは、はっきりわかっていませんが、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズにクロロホルムが登場するシーンがあります。それを参考にして他の小説で使われたことから広まったのではないかと言われています。

アメリカには、Wi-Fiや携帯電話の使用が禁じられている町がある

アメリカ、ウェストバージニア州のグリーンバンクという小さい町は、近年、あることで注目を集めています。というのもこの町では、携帯電話やWi-Fi、ブルートゥースといった電磁波を使う機器などの使用が法律で禁止されているからです。

実は、この町にはアメリカ国立電波天文台が所有する世界一巨大な可動式電波望遠鏡があります。この望遠鏡は非常に感度が良く、他の望遠鏡で見ることができない天体などを観測できるということから、世界中から使用の依頼が殺到しているそうです。しかし、携帯電話などが周囲で使われると、その電磁波が望遠鏡の感度に影響することになり、正確な観測ができなくなります。そこでウェストバージニア州の法律により、この付近一帯で電磁波を扱う製品の使用制限がかけられるようになりました。

ちなみに、固定電話や有線インターネットは使うことは可能ですが、電子レンジやテレビのリモコンなどの電磁波が強い家電製品の使用も制限がかかっているそうです。

最近ではこの町は、電磁波に対する恐怖心を抱いている人たちが集まり、一種の聖地としてあがめまつられてもいるようです。