ラッコは、顔をマッサージすることがある
可愛らしい姿がたまらない、海の人気者ラッコ。じっくり観察していると、たまに手で顔を揉んでマッサージするような行動をとることがあります。なぜ、このようなことをするのでしょうか。
ラッコの体は皮下脂肪が少なく、冷たい海で生きていくには非常に不利なつくりになっています。その代わり、びっしり生えた体毛が皮膚を守ってくれています。体毛の中には空気の層があって、それが冷たい水をはじいてくれることで、皮膚に直接水が触れないようになっているというわけです。そのため、体毛をしっかり整える必要があります。彼らが顔をマッサージしているのは、全身のグルーミングの一環というわけです。このマッサージをしないと、体毛は水をはじくことができず、体が冷えてしい、生存にも関わってきます。彼らはそれを防ぐために必死に毛づくろいしているというわけです。
一見、可愛らしい動作にも見えますが、実はあの行動は彼らの生きるための習性だったのでした。
ロンドンには、郵便配達専用の地下鉄があった
イギリス・ロンドンには、2003年までおよそ75年もの間、ある物専用の地下鉄が走っていました。その物とは郵便物です。
20世紀初頭のロンドンでは自動車の渋滞が問題になっていて、郵便物がなかなか届かないという不具合が生じていました。そこでそれを避けるために1914年、郵便物配送専用の地下鉄が建設されました。もっとも忙しい時期は1日に最長22時間走り続けて、400万通を超える手紙や小包を運んでいたそうです。
しかし、インターネットのメールが普及するに従い、手紙の量も減ってきたことから2003年に廃止され、しばらく使われなくなりました。しかし2019年、そのままにしておくのはもったいないということで、郵便博物館が一部区間を観光電車として開放しました。全37km中およそ1kmの部分を約15分で走るこの列車は、1日に400人ほどの観光客を運んでいます。トンネルが直径2.1mと非常に狭い空間にもかかわらず、めったに乗れない地下鉄に乗れるということで、人気スポットとなっています。