高度な技術と優れたパッケージング、電子制御デバイスが生み出す高性能
「296 GTS Assetto Fioranoパッケージ」は、パワートレインをフェラーリが得意とするミッドシップに縦置き(クランクシャフト軸方向が車両前後)に搭載され、ほぼフロント40%リア60%という理想的な重量配分を実現しています。
フロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクの定評あるサスペンションには最高峰のレーシング・ダンパーをF1に供給するマルチマチック社製の「アジャスタブル・マルチマチック・ショックアブソーバー」が装着され、さらに専用のエアロパーツやドアパネル等の再設計で8㎏ほど軽量化されたことなども相まって圧倒的な走行パフォーマンスを実現しています。
また、ハイブリッドシステムからの最大830psものパワーを伝達する8速F1 DCT(トランスミッション)は高度な協調制御で素早くスムースに変速が行われ、車両にも指定タイヤとして明記されるハイグリップでコントローラブルと定評あるブリヂストンの「ポテンザスポーツ(フロント=245/35 ZR 20、リア=305/35 ZR 20)」が着実に路面をグリップ、高いトラクションを得て圧倒的パワーによる加速や大径の高性能カーボンセラミック・ブレーキ(フロント=398 x 223 x 38 mm、リア=360 x 233 x 32 mm)による高い制動力での減速、極めて限界の高いコーナリングを成立させています。
また、いわゆるビークルダイナミクスの電子制御機能も最先端でフェラーリの誇るeSSC(サイド・スリップ・コントロール)はeTC(トラクションコントロール)とeDiff(電子制御デフ)、EPS(電動パワーステアリング)を協調制御していて、先進の6w-CDS(6ウェイ・シャシー・ダイナミック・センサー)による高度なセンシング機能によってABS Evo(進化型制御モジュールによるアンチロックブレーキシステム)、エネルギー回生機能付き高性能ABS/EBD(分配装置)、さらにアルゴリズムに基づいてヨー・モーメントを予測して各ホイールに必要なブレーキ圧を制御するFDE(フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー)はFDE 2.0として進化したバージョンが搭載され、圧倒的に高いパワーやコーナリングの限界性能がスムース且つコントローラブルに電子制御されます。
次世代のスーパースポーツカーに相応しいデジタルインターフェースと機能的で高品位なインテリア
「296 GTS Assetto Fioranoパッケージ」は、高度に電子制御される各機能を的確にインフォメーションとして伝えるフルデジタルのインターフェースを中心に構成され、メーターパネル内にはナビゲーションも装備、その多くはタッチパネルによる操作でステアリングにほとんどが集約されています。
高品位なレザーで設えられたインテリアは、スポーツ走行に適したレザーシートと相まって、いわゆるコックピットと呼ぶに相応しい機能的でドライビングに専念できる空間が提供されます。
このレザーシートには軽量カーボンファイバー製のシートシェルが採用され、手動で前後と背もたれの角度、電動でシートの上下(斜め方向)が細やかに調整できるため、ドライビングポジションの調整や走行時のホールド性といった高機能とデザインとしての機能美を持ち合わせています。
操作系は、握った際にフィットして手触りも良いレザーの表皮で覆われるステアリングとドライビングポジションを取った際に自然に足を動かせる場所に設置され操作のしやすいアクセルとブレーキのペダル、ステアリングにはフェラーリの特徴とも言えるパワートレインのスタートスイッチや方向指示器などが備えられ、中央右下にトラクションコントロール系の制御を選択する「マネッティーノ」と中央左下にハイブリッドシステム系の制御を選択する「eマネッティーノ」が配置されています。
イタリア語で手元スイッチを意味して、今や伝統的でもある「マネッティーノ」はロータリー式の物理的スイッチによって選択が可能で、下から順に最も安全志向の「WET」モード、スポーツ走行に適した「SPORTS」モード、サーキットでの走行に適した「RACE」モード、トラクションコントロールをカットしてホイールスピンを許容する「CT OFF」モード、横滑り抑制制御もカットする「ESC OFF」モードの5つの選択が可能です。
また、パワートレインをコントロールする「eマネッティーノ」には4つのモードが用意されていて、下から順にエンジンを使わずに電動走行する「eDrive」モード、始動時のデフォルトモードでエンジンとモーターを効率的にハイブリッド運転する「Hybrid」モード、エンジンを常に稼働させてバッテリーの効率を維持、いつでもパワーが出せる「Performance」モード、バッテリーの再充電を抑え、最大のパワーを発揮する「Qualify」モードはタッチパネルで選択が可能です。
さらに、走行していてもスイッチひとつで45km/hまでであれば、14秒ほどで開閉できるリトラクタブル・ハードトップによってルーフのクローズとオープンのどちらも優雅に楽しめるといった至れり尽くせりの装備を備えています。