店員がすぐに現金で返金してくれれば済んだ話だった?

「ほかには通信の時間差が原因だという可能性もあるかもしれません。コンビニエンスストアや規模が大きな店舗では、一日数回に分けて、まとめて決済データを決済元に送っているため、ちょうどそのデータ通信のタイミングのときにタッチ決済をしていると、決済完了まで時間差がある場合があります。さらにそのタイミングで通信状況が悪い場合は、購入者の電子マネーでは残高が引かれているけれど、その情報がシステム上では反映されていないという状況になる可能性もゼロではないでしょう。ただ、そうしたケースは非常に低い確率なので考えにくいです」(同)

 店舗側からすぐに返金してもらえなかったことが問題を複雑化していたように思える。

「たしかに店員がすぐに現金で返金してくれれば済んだ話だったのかもしれません。電子マネーは店舗で決済をキャンセルすることができないため電子的に返金されることはなく、店舗から現金で返金するという対応が一般的です。ちなみに、店舗側で決済エラーになってしまった場合、店舗側から再度決済をお願いされることもあるかもしれませんが、二重で料金を支払ってしまうことになりかねないので、応じないほうがいいでしょう。

 二重決済になっていたとしても、店舗も電子マネーの発行元も気付かないままスルーされることが考えられるため、そうなった場合は購入者が自発的に返金を求める必要があります。電子マネーの決済情報の履歴は必ず残りますから、購入者が二重決済に気付いて発行元などに問い合わせて、店舗側に返金請求をすればお金は無事に戻って来るとは思います。けれど、もし自分で気付かなければ取られ損になってしまいますし、自分から返金のために動かなくてはいけないため、いろいろと手間も日数もかかるというわけです。

 なお、今回のSuicaの事例と同様、店員の操作ミスによって2回支払ってしまうというトラブルがPayPayなどのコード決済でも発生することがありますので、ご注意ください」(同)