■さらに狂い始めた精神、過激化する奇行とマゾヒズム

(画像=アルバート・フィッシュ,『TOCANA』より 引用)
ニューヨークのウエストチェスター郡にある別荘に滞在中、子どもたちを連れて山登りをし、頂上でこぶしを突き上げ「我はイエス・キリストだ!」と叫び、「さぁ、父さんの尻を叩きなさい。思いっきり」と命じたりした。この頃から自傷が酷くなり、自分の性器に針を入れて激痛に快感に身を震わせるように。子どもたちにも自傷の手伝いを強要するようになり、親子関係はどんどん悪化していった。
アルバートの奇行に耐えられなくなった長男から家を追い出されてからは、彼の言動はますますおかしくなり、窃盗や淫乱な手紙を送りつけたりして頻繁に逮捕されるようになる。
1924年2月26日に上手いことを言ってエステーリャ・ウィルコックスという女性と結婚するものの、1週間で離婚。そもそも最初の妻と正式に離婚していなかったので結婚したことにはなっていなかったというオチつきだったが、この件でアルバートの精神状態は完全に狂ってしまった。