■女性と結婚、そして最初の殺人

 1898年、アルバートは母が勧める5歳年下の女性と結婚。塗装工として働きながら6児をもうけるが、いたいけな男児を強姦することは止めなかった。

 1903年、彼は強姦ではなく重窃盗罪で逮捕され、悪名高きニューヨーク市のシンシン刑務所に服役。ここで特定の囚人仲間と不倫関係になり、知的障がい者である囚人を去勢しようとするなど、堀の中でも性的欲求を満たすことばかり考えながら過ごした。そして出所後の1910年。アルバートはデラウェア州で「どうしても痛みに苦しむ幼児の顔が見たい」という欲求に勝てずトーマス・ベッデンという男児を刺し殺した。この殺人事件は証拠不十分のため確認できていないが、彼はこれが最初の殺人だったと後に証言している。

 1917年、そんなアルバートに嫌気が差した妻が一家に出入りしていた便利屋の男と蒸発。自分のことを棚にあげて「裏切られた」とショックをうけた彼は、この頃から幻聴や宗教的な幻影を見るようになり、言動がおかしくなっていった。