車のエンブレムとは?
車のエンブレムとは、メーカーを象徴するもののことで、車体の前後やホイールなどに取り付けられています。それぞれの歴史や象徴などが表されており、エンブレムでどのメーカーなのか特定する方もいるでしょう。
しかし、車に詳しくない場合は、エンブレムを見てもどこのメーカーなのか分からないケースがほとんどです。この記事では、国産車〜外車のエンブレムを紹介しているため、分からないメーカーがあれば参考にしてみてください。
また、エンブレムはリニューアルされるケースがあります。大きく変化するわけではないものの、時代に合わせて変更されるため、混同しないようにしましょう。
国産車のエンブレム一覧
日本にはトヨタや日産、ホンダなど多くの自動車メーカーが存在します。
国産車は日本人にとって馴染みがあるものの、どこのエンブレムなのかわからない方もいるでしょう。まずは、国産車のエンブレムを紹介します。
トヨタ
現在のトヨタのエンブレムは1989年に会社創立50周年を記念して発表されたものです。トヨタのエンブレムは、企画から発表まで5年ほどかかったといわれており、遠くから見てもトヨタ車だと認識できるでしょう。
小さな2つの楕円はトヨタの「T」を表しているほか、お客様とトヨタの心を表現し、大きな楕円はその2つの心を繋ぐ世界をイメージしています。
レクサス
レクサスは、北米や中国などでも展開されているトヨタの高級車ブランドです。設立当初は海外のみでしたが、2005年に日本でも展開されました。
英語で「高級」を意味する「ラグジュアリー(luxury)」とラテン語で「基準」を意味する「レックス(Lex)」を合わせた造語がブランド名の由来です。
エンブレムは、頭文字の「L」をモチーフにしています。
日産
2020年7月、日産のエンブレムが新デザインに移行されました。「薄く・軽く・しなやか」をキーワードに、上品で親しみやすいエンブレムに変わりました。
伝統的なメーカーだけではなく、先進的なテクノロジーや技術を駆使したサービスを提供し、進化し続ける日産を表現しているようです。
なお、19年間使用された旧エンブレムは、創業者の鮎川義介が残した “強い信念は太陽さえも貫く”という意味の言葉「至誠天日を貫く」をイメージしたものです。
ホンダ
「HONDA」のエンブレムは、頭文字「H」と創業者である本田宗一郎が嗜んでいた三味線の形状を合わせたものです。ハンドルの形状も表しており、二輪車の場合は同じホンダ製品であってもエンブレムが異なります。
また、次世代EV車には他のHのエンブレムが採用されています。Hの上部の幅を広くし、ユーザーと向き合う姿勢を表現しているため、次世代のホンダのエンブレムに適しているでしょう。
スズキ
スズキのエンブレムは、創業者である鈴木道雄の名字を社名としており、イニシャルの「S」をモチーフとしたものです。
1958年から現在まで変更されることなく使用され続けており、シンプルでありながら覚えやすい特徴があります。
マツダ
マツダのエンブレムは、創業者・松田重次郎の名字と「アフラ・マズダー」と呼ばれるゾロアスター教の最高神の名前から「MAZDA」の表記を採用しています。
その頭文字の「M」と未来に羽ばたいていく姿のイメージから現在のエンブレムとなっています。
ダイハツ
「DAIHATSU」の頭文字である「D」をモチーフにしたデザイン。ダイハツのもともとの車名は「発動機製造株式会社」です。
のちに「大阪の発動機製造株式会社」という意味の「ダイハツ」に変更された経緯があります。なお、ダイハツは2016年にトヨタの子会社となりました。
スバル
スバルのエンブレムは、牡牛座のプレアデス星団(昴)を構成する以下6つの星を示しています。
- タイゲタ
- マイア
- エレクトラ
- アルキオネ
- メローぺ
- アトラス
富士重工業(旧スバル)が、旧中島飛行を含む5社の出資によって設立されたため、プレアデス星団を構成する6つの星がロゴとなっています。
なお、スバルは2020年2月6日からトヨタ自動車株式会社の関連会社です。
三菱自動車
三菱自動車は、1890年に高知県の侍だった“岩崎弥太郎”が海運会社を設立したときから始まりました。
エンブレムのスリーダイヤは、岩崎弥太郎の家紋の「三階菱」と、土佐藩の藩主である山内家「三ツ柏」を組み合わせたものであり、1910年から変更されていません。
なお、岩崎弥太郎が海運会社で使用していた船の旗が、白地に赤のスリーダイヤだったため、ロゴも同様のものが採用されています。
いすゞ
伊勢神宮の「五十鈴川」から由来されており、エンブレムはシンプルにローマ字で表記されています。
企業カラーである赤を用いて「情熱と前進」を表現していることも、シンプルなエンブレムである理由の1つです。なお、現在のエンブレムは1991年から変更されていません。
日野自動車
日野自動車は、トラックやバスなどを生産しており、ダイハツと同様にトヨタの子会社です。
エンブレムは、HINOの「H」と地平線から昇る太陽を合わせたもので、未来に向かって挑戦し続ける姿勢を表しています。また、左右に広がるような形は調和や飛躍、左右の曲線は流通の一体感を表現しています。
UDトラックス
UDトラックスは、60ヶ国以上で先進的な輸送ソリューションを提供している日本の商用車メーカーです。元・日産ディーゼル工業株式会社で、現在はボルボグループ。トラックや大型トレーラーの製造を行っています。
エンブレムの「UD」は、“Uniflow scavenging Diesel engine”(ユニフロー掃気ディーゼルエンジン)の略です。UDトラックスは、さまざまなタイプのエンジンを開発しており、他社と区別するために設計図面に「UD」の判を押していました。
やがて、エンジンの高い性能をアピールするために、車体にも「UD」のロゴが付けられたようです。