■エプスタインのヤバすぎる野望

 しかし、エプスタインにうさん臭さを感じた科学者も多かった。

 ハーバード大学の認知心理学者スティーブン・ピンカー博士は、エプスタインを「知的詐欺師」と評する。

 ビンカー博士によると、エプスタインは「誰かに見られている感覚を引き起こす粒子」を特定するために資金集めをする反面、飢餓を減らし、貧困層に医療を提供する研究を批判した。ピンカー博士がエプスタインに反対すると、エプスタインはイラつき、その後ピンカー氏は、エプスタイン氏の集まりに2度と招待されなくなったという。

 エプスタイン氏の本質を見抜いたもう一人の科学者に、バーチャルリアリティの創始者ジャロン・ラニア氏がいる。かつてエプスタイン氏は、原子の動きは、市場における投資家の動きと似ているという仮説を立てていた。しかしラニア氏は、証明できないアイデアは科学に値しないと考え、資金提供を断っている。

 ハーバード大学法学名誉教授のアランM.ダーショーウィッツ氏も、エプスタインに招待されて、彼と会ったことがある一人だ。そこでエプスタインが語った内容は、ナチスが人種浄化を目的として大量虐殺を正当化し、優生学を用いたものに酷似しており慄然としたという。