※本記事は2020年の記事の再掲です。
米国の大富豪ジェフリー・エプスタインは、100人以上ともいわれる多数の未成年の少女を性的目的で人身取引したとして裁判中の身であったが、先の8月10日、監房で自殺を図ったことが報告された。彼の自殺により事件の全容解明はより困難なものになってしまったかもしれないが、一連の容疑の中でエプスタインは何を目論んでいたのか今一度振り返ってみたい。

(画像=ジェフリー・エプスタイン 画像は「YouTube」より、『TOCANA』より 引用)
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■エプスタインが科学界に入り込んだ理由
さて、そのエプスタインはある計画を練っていた。
彼は米ニューメキシコ州に所有している牧場を、彼のDNAを蒔くための場所-赤ちゃん工場-として使おうと計画し、著名な科学者をその計画に巻き込もうとしていたのだ。
エプスタインは、「トランスヒューマニズム」(遺伝子工学や人工知能などの技術を通じて人類を改善する科学)へ非常に興味を持っていたが、批評家は「トランスヒューマニズム」は、人類の生殖をコントロールすることから、現代の「優生学」と呼ぶ。
エプスタインは金融ビジネスで成功を収め、富豪になった人物であるが、その背景は謎に包まれている。しかしエプスタインが、トランプ大統領や前大統領のクリントン、エリザベス女王の次男であるアンドルー王子らと親しかったのは事実で、重要人物と関係を結ぶテクニックに非常に長けていたことは確かだ。
そして彼は自分の願望達成のために、同じ手管を使って、密かに科学界の著名人たちに取り入っていた。
まずエプスタインは、マンハッタンの豪邸でドン・ペリニヨンと高価なワインが豊富に供されるディナーパーティーを頻繁に開き、輝かしい経歴を持つスター科学者を招待した。