■ファミリーの終わり

 10月10日、デスヴァレーに自動車窃盗団がいるようだとの情報を得た白バイ隊員が、デスヴァレーのマンソン・ファミリーの掘っ建て小屋に入り、ファミリーを逮捕した。

 この少し前、スーザン・アトキンスは別の事件の容疑者として逮捕され、拘置所に入れられていた。拘置所では女性も男性も「どれだけ自分が凄い犯罪者か」を見せて同房の者に舐められないようにするという傾向がある。スーザンも拘置所の同房囚人に「あんたシャロン・テートを殺した奴を知ってるよね」と言い、戸惑う彼女に「今、あなたの目の前にいるのが犯人だよ」とドヤった。「殺しは、やればやるほど楽しくなる」とまで言い放ったのである。

チャールズ・マンソン完全解説! 史上最凶のカルト連続殺人鬼の“身の毛がよだつ生涯”とは?
(画像=スーザン・アトキンス。画像は「CNN」より引用,『TOCANA』より 引用)

 囚人仲間はすぐに看守に垂れ込んだ。スーザンは殺人事件の容疑者として逮捕され、警察に移送された。スーザンは罪の意識などかけらもない表情で自分がやったことを認め、「ヘルター・スケルターの時が来たからなのよ!」と詳しく話した。この彼女の自白により、同年12月、スーザン、チャールズ、パトリシア・クレンウィンケル、レスリー・ヴァン・ホウテン、テックス・ワトソン、リンダ・カサビアンが、シャロン・テートら5人とラビアンカ夫妻殺しの容疑者として逮捕された。