中古の割安感が一番大きいのは埼玉県

ただ、新築マンション価格に対する中古マンション価格の割合は、エリアによって微妙に異なっています。図表2にあるように、2022年度の平均価格をみると、都区部では新築が9899万円で、中古が5827万円ですから、中古なら新築の58.9%で手に入る計算です。それが都下だと新築が5218万円で、中古が3401万円ですから、新築価格に対する中古価格の割合は65.2%です。新築に比べると安いとはいえ、都区部に比べると割合が若干高くなっていて、中古の割安感が少し弱くなっています。

周辺3県の新築価格に対する中古価格の割合は、神奈川県は64.8%、埼玉県は54.2%、千葉県は58.5%となっています。新築に対する中古価格の割安感は、埼玉県が一番大きく、次いで千葉県、都区部の順で、神奈川県や都下は割安感がやや弱くなっているといってよさそうです。エリアによって異なる面があるので注意しておきたいところです。

マンション購入者、新築は中古より年収300万円高い&若い…返済負担率の意外な差
(画像=『Business Journal』より引用)

都区部の新築は千葉県の中古の3.7倍

いずれにしても、新築と中古では大きな価格差があるのは間違いありません。極端にいえば、都区部の新築の平均価格は9899万円に対して、千葉県の中古マンションは2650万円ですから、およそ3.7倍の価格差があります。こんなに差がありますから、新築と中古の購入者をみると、購入価格や自己資金などが大きく違ってくるのは間違いありません。

国土交通省では毎年「住宅市場動向調査」で、住宅の形態別にどんな人がどんな資金計画で住宅を買っているのかなどの調査を実施しています。その最新版である令和4年度の調査結果では、住宅の形態別の購入資金や自己資金比率は図表3のようになっています。新築マンションと中古マンションを比較すると、新築の購入価格は5297万円で、中古は2941万円です。中古マンションの購入価格は新築マンションの55.7%です。図表1にあったように、首都圏全体の新築マンションと中古マンションの価格を比較すると、中古は新築の62.9%でしたから、それに比べると中古マンションの割合は若干低くなっているようです。

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(画像=『Business Journal』より引用)