フレックスタイム制とは、働く時間を労働者が自由に決められる勤務形態のことです。始業・終業時間を自由に決められるのはもちろん、「仕事が少ない日は早めに終業する」「仕事量が多いときに長めに働く」というように業務量にあわせて業務時間を調節することもできます。
本記事ではフレックスタイム制とは何か、ほかの勤務形態との違いと併せて解説。メリット・デメリットや適した業界・職種も紹介し、フレックスタイム制導入の注意点をお伝えします。
- フレックスタイム制の概要と、ほかの勤務形態との違い
- フレックスタイム制の仕組みやメリット・デメリット
- フレックスタイム制を導入する際の注意点
フレックスタイム制とは
フレックスタイム制とは、労働者が始業と終業の時間を自由に決められる勤務形態のことです。通勤ラッシュを避けたり自分のライフスタイルを踏まえて働き方を考えたり、ワークライフバランスを取りやすい勤務形態といえます。
裁量労働制との違い
裁量労働制とは、実際の稼働時間とは関係なく所定の労働時間を勤務したとみなす、みなし労働時間制の一種です。たとえば1日8時間の所定労働時間が定められていた場合、実際の労働時間が4時間でも、8時間働いたものとみなします。
フレックスタイム制との違いは「みなし労働かどうか」「働く時間帯の自由度」にあります。
フレックスタイム制では始業と終業の時間は自由に決められますが、決められた時間を実際に働かなければなりません。また、フレックスタイム制には「コアタイム」という必ず働かなければならない時間帯が決められていることが多いですが、裁量労働制は働く時間帯をすべて自由に決められます。
裁量労働制はフレックスタイム制よりも自由度の高い働き方ですが、自由度が高すぎるがゆえに適用できる職種も限られています。
時差出勤制との違い
時差出勤制とは、会社がいくつかの勤務時間パターンを作り、そのなかから労働者が働きたい時間帯を選ぶ制度です。たとえば「8:00~17:00」「9:00~18:00」「10:00~19:00」のようなパターンを作ります。
フレックスタイム制との違いは「働く時間の自由度の高さ」でしょう。フレックスタイム制にも必ず働かなければならない時間帯はありますが、始業・終業時間は労働者から指定できます。会社が決めたパターンから選ばなければならない時差出勤制の方が自由度は低いといえます。
ただ、働く時間を会社側でコントロールしやすいため、業務への支障は出づらいでしょう。先述の「8:00~17:00」「9:00~18:00」「10:00~19:00」のパターンでは、「10:00~17:00」の間はすべての従業員が一緒に働くため、情報共有や共同作業がしやすいです。
ある程度の自由度を持たせつつ、会社側である程度働く時間を決められる、バランスの取れた勤務形態といえます。