エスカレーションを円滑に行う5つのポイント

エスカレーションはルールやフローを決めておくことが大切ですが、あくまでも誤りのない対応を促すためのものであり、円滑なエスカレーションができるとは限りません。ルール・フロー作成以外に意識したいことがあります。エスカレーションを円滑に行う5つのポイントを解説します。


エスカレーションを円滑に行う5つのポイント


  • ポイント1.エスカレーション方法のルールを作成・周知する
  • ポイント2.エスカレーションの報告者が責任を問わないと周知する
  • ポイント3.エスカレーション後の対応状況は共有する
  • ポイント4.エスカレーション内容が解決後は、知見をデータベース化しストックする
  • ポイント5.エスカレーションしやすい環境を作る



ポイント1.エスカレーション方法のルールを作成・周知する

エスカレーションを円滑に行うための1つ目のポイントは、エスカレーション方法のルールを作成・周知することです。

エスカレーションを円滑に行うには、ルールの作成が必須。ルールが設けられていないと、インシデントや問題が発生した際、迅速な対応が難しくなります。本来であれば本社が対応すべきことを現場で対応し、さらに問題が拡大するトラブルも考えられるため、必ずルールを作りましょう。

エスカレーション方法のルールを作成した後は、そのルールを全社に周知します。ルール内容はもちろんのこと、ルールがまとめられた資料の格納先もあわせて知らせます。

インシデントや問題はどの部署でも起こり得るものです。すぐに適切な対応ができるよう、ルール周知には力を入れましょう。

ポイント2.エスカレーションの報告者が責任を問わないと周知する

エスカレーションを円滑に行うための2つ目のポイントは、エスカレーションの報告者が責任を問わないと周知することです。

インシデントや問題が起きたとき、上司や先輩に報告するのは気が引けるものです。怒られるかもしれないと考えると、報告を躊躇してしまう可能性もあります。そこで必要なのが、エスカレーションの報告者は責任を問わないというルールです。

このルールを周知することでエスカレーションがしやすくなり、インシデントや問題への迅速な対応が可能になります。

ポイント3.エスカレーション後の対応状況は共有する

エスカレーションを円滑に行うための3つ目のポイントは、エスカレーション後の対応状況を共有することです。

エスカレーション後は、どのような状況になっているのか、誰が対応をして、その後引き継いだのかなどを全社で必ず共有するようにしましょう。エスカレーション後は現場ではなく部長や課長など役職者が対応するため、現場はどのような対応がなされたのか、その内容を知る機会がありません。

エスカレーション後の対応状況を共有する環境が整っていれば、次に同様のトラブルが発生した際に、慌てずスムーズに対応できます。

ポイント4.エスカレーション内容が解決後は、知見をデータベース化しストックする

エスカレーションを円滑に行うための4つ目のポイントは、エスカレーション解決後は、知見をデータベース化し、ストックしていくことです。

エスカレーション後、問題が解決した際には、一連の流れをナレッジベースに蓄積し、社内のナレッジとして共有していきましょう。トラブル発生から解決までの対応内容を確認することで、今後同様のインシデントが発生しないようにするための対策を考えることができます。

ナレッジベースへの登録を忘れないよう、エスカレーションルール・エスカレーションフローに必ず入れておきましょう。

関連記事:ナレッジベースとは?作り方と、構築時に使えるツール・ポイントを解説

ポイント5.エスカレーションしやすい環境を作る

エスカレーションを円滑に行うための5つ目のポイントは、エスカレーションしやすい環境を作ることです。

エスカレーションに関するルールやフローを決めたからと言って、誰もがルール通りにエスカレーションを行うとは限りません。エスカレーションしやすい環境作りも大切なポイントです。

エスカレーションは通常、下の職位の従業員から、上の職位の従業員に対して連絡が行われます。忙しい上司や先輩の業務を止めるのに抵抗を感じる従業員もいる可能性があります。

そのような場合には、上司から積極的にエスカレーションを促しましょう。上司と部下の関係性も大切なので、日頃から多く交流する、相談しやすい環境を作るなど、意識的に行動することを忘れないでください。