元凶は「手軽に強い酒が買えてしまう環境」
このようなリスクを避けるには、ストロング系のような強いお酒を飲まないことがもっとも確実な方法だ。しかし、日本社会では「強いお酒を飲まない」という簡単なことが難しい現状もある。
「日本は、欧米諸国に比べてお酒を口にしやすい環境にあります」と横山氏は指摘する。
「たとえば、居酒屋には必ず飲み放題コースがあり、テレビではお酒のCMが流れ、電車に乗っていてもお酒の中吊り広告が目に入る。アルコール依存症患者は、必ずしも最初から進んでお酒を手にとっているわけではありません。こうした環境のなかでお酒を口にするようになり、いわば受動的に依存症に引きずり込まれてしまうのです」(同)
それでも日本のアルコール依存症患者が欧米より少ないのは、「アセトアルデヒドの分解能力が弱い」という体質に助けられているからだという。
また、横山氏が指摘する「お酒を口にしやすい環境」の最たるものが、コンビニだろう。最初に述べたように、今やコンビニではストロング系がアルコール類の棚の大半を占めている。
「私が診ているアルコール依存症の患者さんに聞くと、多くの人が『酒を飲みたくなるタイミングはコンビニにいるとき』と話します。昔は、いくら飲みたくても時間帯や場所に制限がありましたが、今はいつでも強いお酒を買えてしまう。そこが大きな問題だと思いますね」(同)
民放のテレビ局にとって酒造メーカーは大スポンサーであり、出版社にとってコンビニは販売チャネルのひとつだ。そう考えると、マスコミが大々的に「反ストロング系キャンペーン」を展開することは考えにくい。そのため、この先もストロング系を手軽に飲める環境が大きく変わるのは難しいかもしれない。
もはや一人ひとりが自分の健康を意識するしかないが、お酒に強い人も弱い人も、「ストロング系をたくさん飲むのはリスクが高い」ということは覚えておいたほうがよさそうだ。
(文=喜屋武良子/清談社)
提供元・Business Journal
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