競合調査に使えるフレームワーク

効率的かつ客観的に競合調査をするには、フレームワークを使うのが一般的。数あるマーケティング戦略の分析手法のなかでも、基本的かつ使いやすいフレームワークをご紹介します。

SWOT分析

「SWOT分析」は、既存事業の現状把握に使えるフレームワークです。「Strength」「Weakness」「Opportunity」「Threat」の4点を洗い出すことから、その頭文字を取って「SWOT(スウォット)」と呼ばれています。

SWOT分析では、内部環境を「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」、外部環境を「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」と、それぞれマイナス要因とプラス要因のカテゴリに書き出した後、クロス分析を行います。

4つの要素を整理し、分析することで既存事業の改善点が見つかります。競合と比較した際の自社の優位性や将来的なリスクなどを把握することも可能です。

バリューチェーン分析

「バリューチェーン分析」は、自社の事業活動を工程ごとに分析するフレームワークです。バリューチェーンは日本語に訳すと「価値連鎖」という意味を持ちます。事業活動を価値創造のための一連の流れと捉える考え方のことで、アメリカの経営学者であるマイケル・ポーター氏が提唱した概念です。

バリューチェーン分析では、既存事業を主活動と支援活動の2つに分け、各工程でどのような価値を創造しているかを分析します。バリューチェーン分析を活用すると自社の強みと弱みを把握できるほか、無駄なコストの削減や経営資源の適切な分配が可能になります。

5フォース分析

「5フォース分析」は、自社事業の戦略を策定する際に活用されているフレームワークです。アメリカの経営学者であるマイケル・ポーター氏が提唱した概念のひとつとして知られています。

「フォース」は「force」のことで、日本語で「脅威」を意味します。5フォース分析では、既存競合他社・売り手の交渉力・買い手の交渉力・代替品・新規参入の5つの要素を分析し、自社の脅威を把握します。同時に業界内での自社の強みや課題発見も期待できます。

3C分析

「3C分析」は、市場環境を分析する際に使われているフレームワークです。数あるフレームワークのなかでもよく知られており、マーケティング分野において基本的な分析手法です。

3C分析のCは「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つから頭文字を取っています。顧客と競合は外部環境、自社は内部環境と分類でき、この両面から事実に基づいた分析を行うことで、自社の優位性を確保した事業計画やマーケティング戦略を立てられるようになります。

4P・4C分析

4P分析と4C分析は、どちらもマーケティングの分析手法です。

4Pは「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販促)」の単語から頭文字を取っています。どのような製品をどのような価格で、どのように提供し、どのように販促するのか、4つの視点から考えることで、マーケティング戦略の立案が可能になります。

一方、4C分析は顧客視点でマーケティング戦略を考えるときに使われるフレームワークです。4Cは「Customer Value(顧客価値)」「Cost(顧客コスト)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」から頭文字を取っています。

4P分析が自社視点であるのに対して、4C分析は顧客視点なのが特徴。市場が成熟しサービスが豊富な現代で自社製品の優位性を確保するには、4P分析と4C分析のマーケティングミックスにより、利益の最大化を目指す必要があります。

ポジショニングマップ

「ポジショニングマップ」は、縦軸と横軸の2軸を策定した4象限マトリクスを用いて、自社製品の競合優位性を明確化する目的で使われるフレームワークです。業界での自社のポジションをマップで視覚的に把握できます。

ポジショニングマップを作成する際は「KBF比較表」を用います。KBFとは購買決定要因のことで、消費者が購入を決定する場合に重視しているポイントです。インタビューやアンケートを実施してKBFを洗い出し、競合他社と自社を「・◯・△・×」の記号で評価します。自社商品の隠れた優位性や魅力を見つけるのに役立つフレームワークです。