受け取った信書を他拠点に移送するときの注意点
企業や組織として信書を受け取る場合、本社や営業所で受け取った信書を別の営業所に移送することもあるでしょう。その書類を信書として送らなければならないのか、信書として送らなくてもいいのか、見分け方を紹介します。
信書として送らなくてもいい場合
信書に記載された意思・事実が受け取り時点で自社に到達すれば、信書の送達は完了します。この場合、他拠点への移送は信書でなくても構いません。具体的には「受取時点で受取処理を済ませた場合」や「書類の写しを送る場合」などは、信書として送る必要はありません。
信書として送らなければならない場合
他拠点に何らかの意思を表示するために書類を移送する場合、信書として送らなければなりません。たとえば「営業所で受け取った書類の内容を本社で確認・審査し、承認してほしい」「請求書を受け取った営業所ではなく、本社から代金を支払ってほしい」などの場合、信書として送る必要があります。
信書にあたる文書を電子的に送ることは認められている
信書にあたる文書を、電子メールやクラウドサービスなどの電子的な方法で送ることは認められています。たとえば請求書を電子メールで送ったり、クラウド契約システムで契約を結んだりする場合です。
電子メールやクラウドサービスで信書にあたる文書を送る際の注意点を紹介します。
電子メールで送る場合
請求書や契約書などの信書にあたる文章を電子メールで送る場合、S/MIME(エスマイム)を利用するのがおすすめです。S/MINEとは電子メールの暗号化方式のひとつで、なりすましや盗み見の防止に役立ちます。
S/MINEはOutlookやGmail(無料版では電子署名が行えず、電子署名の検証のみに対応)など、多くのメールサービスが対応しています。
クラウドサービスで送る場合
最近は契約書や請求書の発行・送付ができるクラウドサービスが増えています。クラウドサービスで契約書や請求書を発行・送付するなら、タイムスタンプ付きのサービスがおすすめです。
タイムスタンプとは、インターネット上の手続きが行われた日時や、その日時以降に文書の修正・改ざんが行われていないことを証明するテクノロジーです。タイムスタンプ付きのサービスは文書に関する不正を防ぎやすく、取引先にとっても自社にとっても安心感があります。
フリーランスへの業務委託が多い企業なら、電子契約サービス「クラウドサイン」や、freee業務委託管理(旧Pasture)のような契約・請求管理プラットフォームもおすすめです。委託先ごとに契約内容を管理したり、システム上で請求書を発行し、共有したりできます。