日本の新年の慣習と言えば、年賀状もその1つに数えられるだろう。しかし、その発行部数は年々減ってきていると言われている。実際、年賀状を2023年に向けて書いたという人はどれほどいるだろうか?ここでは、年賀状の発行部数がどれほど減少しているのかについて解説すると共に、年賀状離れの要因について紹介していく。

年賀状の発行部数はどれほど減少したのか?

2023年用の年賀葉書の売り上げ部数は日本郵便が発表した「2023年(令和5年)用年賀葉書等などの発行及び販売」によると、16億4000万枚となっている。2020年用は23億5000万枚だった。1973年に初めて20億枚を超え、2003年にはピークの44億5936万枚となっていたことを考えると、半分ほどになっていることがわかる。そしてついに、2021年用の年賀葉書から20億枚を割ることになった。2021年用の年賀葉書は19億4198万枚、2022年用は18億2536万枚、2023年用が16億4000万枚だった。年賀状離れは顕著と言えるだろう。

年賀状離れの要因は何か?

年賀状離れの要因は何なのだろうか?主に考えられるのが以下の3つだ。

メールやSNSの普及で年賀状を送る理由がなくなった

一番の理由はメールやSNSの普及だと考えられる。
メールやSNSが普及していない時代は、遠方に向けて近況報告や日頃の感謝を込めたメッセージを送るために年賀状は必要なツールだった。しかし、メールやSNSであればそれが気軽に、いつでも、どこであってもできるものに変わってしまったのである。

年賀状は金銭と手間がかかる

さらに年賀状は金銭と手間がかかってしまう。
オーソドックスな無地の葉書は1枚63円だ。しかし、メールやSNSであれば無料で出来てしまう。また、年賀状は1枚作るのに時間がかかってしまう。それも良さの1つだと言えるが、時間に追われている現代人にとって年賀状を作る手間は非常に大きな負担だ。これもメールやSNSであればテンプレートがあるため時間もかからない。

親密な人はより親密に、そうでない人はより疎遠に

そして、人と人の距離感に変化が出たことも年賀状離れの要因の1つだ。親密な人はより親密に、そうでない人はより疎遠に、という距離感がコロナ禍以前もあったが、より大きくなったと考えられる。そのため、親密な関係のある人や得意先にのみ年賀状を送るようになってしまったと言えるだろう。

2023年の売り上げはいかに?

年賀状離れはこのまま加速することが予想できる。これまで以上にメールやSNSが進歩し、親密な関係のある人や得意先にしか年賀状を送らないようになっていくだろう。しかし、遠方への挨拶や日頃の感謝の想いを伝えるという文化や考え方はメールやSNSという形に変えながら残っているとも言える。年賀状という文化や考え方は今後も残っていくのではないだろうか?

文・杉山 諒典

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