8代目はファミリアNEOで痛恨の大混乱!(1994年)

マツダ ファミリアとは?性能や歴代車種など紹介!
(画像=ボンネットインテークが勇ましいものの、積んでるエンジンはいすゞ製というセダンLS 1700ディーゼルターボ(8代目ファミリア)、『MOBY』より引用)

1994年6月にモデルチェンジした8代目ファミリアは、いろいろな意味で5代目以降の「ファミリア」ブランドを崩壊させる致命的なモデルでした。

バブル崩壊後数年の国産車に共通した「目に見えるレベルでのコストダウン」に加え、マツダ本体の経営危機もあって華々しい7代目の印象は消し飛び、もはや活躍の場もない4WDターボ車がなくなったのは、仕方ありません。

むしろ4ドアセダンはデザインも性能も頑張ってよくまとめた方だと思いますが、大問題だったのは3ドアハッチバックで、よりにもよって5代目派生の超大不人気車・エチュードから隔世遺伝したような3ドアハッチバッククーペ、「ファミリアNEO」になりました。

一応、ファミリアアスティナ後継としてファミリア一族のから独立した4ドアクーペ、「ランティス」の3ドア版というポジションとデザインですが、不景気で効率重視、実用性がなければ売れないハッチバック車をデザイン重視にして、売れるわけがありません。

バブル崩壊と関係ない海外ではソコソコ売れたようですが、あまりに惨めな国内販売実績にマツダも慌てて1996年10月のマイナーチェンジでNEOを引っ込め、普通の3ドアハッチバックを急造して代役としますが、時既に遅し。

そもそもその頃にはワゴンブームで「5ドア車はライトバンみたいで貧乏くさい」という風潮もなくなり、ハッチバック車なら5ドア車が売れる時代になっていたうえに、この代からファミリアワゴン/バンの自社開発をやめてOEMで細々売るだけになっていました。

売れるはずのクルマを必要な時に用意できず、慌てて作り直してもユーザーは感心を失っており、まさに「泣きっ面に蜂」だったのが8代目ファミリアです。

S-ワゴンで最後に一花咲かせた9代目(1998年)

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(画像=5ドアハッチバックだけど、短い(ショートな)ワゴンとして売れば大丈夫だろう!でソコソコ売れた9代目ファミリアS-ワゴン スポルト20、『MOBY』より引用)

「マツダ製ファミリア」としては最後となる9代目は1998年6月のモデルチェンジで登場、この頃になるとブランドイメージも何もなく、4ドアセダンなどすっかり地味でしたが、最後の最後で一花咲かせるスマッシュヒットとなったのが「ファミリアS-ワゴン」です。

ただし「ワゴン」の前にSがつくように、まだブームで波に乗っていたステーションワゴンではなく、実態は先代で売りそこねた5ドアハッチバック車を今度は作ったので、何とかして売って一矢報いようと、「ワゴンみたいなクルマ」に見せました。

もっともこれはファミリアS-ワゴンが特別ではなく、スバルの初代インプレッサスポーツワゴンも、日産のパルサーセリエ/ルキノハッチS-RVだって「5ドアとして売るよりRVブームへ乗っかろう」で売ったクチですし、ファミリアS-ワゴンも目論見通り売れたのです。

さらに、セダン/S-ワゴンともに車格からすれば破格の2リッターエンジンを積む「スポルト20」を設定、さらにセダンにはスポルト20をさらにチューンした100台限定の「マツダスピードファミリア」も2001年に発売。

2003年に後継者アクセラ登場後も細々と販売したのを最後に、2004年で消えた「マツダ製ファミリア」は、こうして最後に一花咲かせて散りました。