粘りに粘って誘い出した1本

ラインを通してブルブルとミノーの動きを感じながら引いていく事3投目、脇から尺上クラスの黒い影がスーッとミノーの背後に付きそのままバイト、すぐにアワセを入れるも乗らず。針先をチェックしてみるとかなり甘くなっていました。

そこで居るであろう他の個体に狙いを定めて再トライ。51mm赤金のシンキングミノーに替えて立ち位置も変えて違う角度からキャストして同様のアプローチで誘っていると50cmはありそうな影がゆっくりと追尾してきますがバイトには至らずUターンして元の付き場に戻っていきました。

その後、このやりとりを数回繰り返しますがいつしか反応が途絶えてしまいました。そこで一度ポイントを休ませるために堰堤から離れて下流のポイントに向かいます。下流では10cmほどのニジマスしか釣れず堰堤に戻ったのはおよそ10分後。今度は同じミノーのヤマメカラーに切り替えて誘いますがチェイスは一回のみ。また別のカラーに替えて様子を見ますが反応なし。スプーンにも反応しません。

シーズン終盤の北海道トラウトフィッシングで72cmアメマスをキャッチ中型のアメマス(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

そこでチャートグリーンのシンキングミノーに切り替えます。沈下スピードを抑えた設計のミノーでゆっくり沈下させることでアピール時間をより長くして誘う作戦です。また別の立ち位置からキャストしてティップを少し上げてチョン、フォール、チョン、フォールといった具合でアピールしていきます。

このやり方で通すこと10投目、落ち込みの白泡を抜けてミノーが見えてきた時、それまで沈黙していた影が勢いよく飛び出してガツンとバイト、ミノーを咥えて反転した瞬間にアワセを入れます。しっかり決まったフッキングだったので抜ける心配はありませんでしたがそのアメマスは下流に向かって突進していきます。

角度が変わるとバラす可能性が上がるのでヒヤッとしましたが何とか取り込みに成功します。婚姻色に染まったオスのアメマスは野性味満点でサイズは47cm。既に癒えてはいましたが腹に大きな傷跡がありこれまでの困難を潜り抜けてここまで大きく成長した事が伺えます。このまま70cmクラスまで育つ事を祈りながらリリースしてその日は撤収しました。

Day 3:秋晴れの渓は高活性

その日は雲一つない秋晴れの休日、最近の釣行は一つのポイントに絞って、点を探る釣りだったのでその日は一つの区間、線を辿る釣りをしようということで普段より少し上流の区間に入渓します。

10月も半ばを過ぎたこの時期は熊がかなり活発な時期、秋に普段より奥のエリアに足を踏み入れる時はいつも緊張感と期待のワクワクが入り混じった状態になります。その日も準備を済ませてから爆竹を鳴らすこと6回、居るかもしれない熊達にこちらの存在を知らせます。

一発目から早速かかったのは20cmほどのイワナ。オレンジ色の腹を持ったまだまだ若い個体ですが活性は高い模様。