ユーザー離れの原因はインフレ

 パズドラの運営は順調に続いているようにも見えるが、「妨害だらけで楽しくパズルさせてくれない」「さすがにあれを何年もやったら飽きる」といった不満から退場するユーザーも。SNSでは「オワコン」という声もあるが、ユーザーが離れていく理由は何か。

「主な原因は、パラメータのインフレによるゲームバランスの崩壊です。ゲーム製作をする時には、キャラクターの能力値には想定の上限が設定されています。ただ、終わりがないスマホのRPGゲームの場合、トッププレイヤーを基準にして作られた新ステージは、クリアされるたびに難易度が上がっていき、想定した数値の上限を超えてしまう。現在のパズドラは、サービス開始当初に比べると、ダメージの桁が何倍にも膨れ上がっています。

 その結果、新しい敵の強さが3倍になるようなことが起き、ステージをクリアするには、新しいカードを引いて最強に育成してから挑むことが必須になる。また、パーティーの組み方や、攻略もパターン化されてしまい取れる行動も制限されてしまう。つまり、インフレによって工夫する余地がなくなり、楽しみにくい状況になっているのです。かといって、ユーザーが購入したキャラクターを簡単に弱体化することもできず、ゲームバランスの調整はできない。インフレによるゲームバランスの崩壊は、RPG要素があるゲームを長期運営する上で、どうしても避けられない問題です」(岩崎氏)

 最近では、インフレ対策のために、ゲーム開始時にゲームバランスを調整するために、ステータスやパラメータの変更に同意することが求められるゲームも登場している。当然ながら、パズドラが今からこのような対策をすることは難しい。