■森の中の親子

 メロンヘッドの目撃談の中でも特に有名なのが1964年の事例だ。カートランドから西に10kmほどのウィックリフ郊外をドライブしていた十代の若者たちは、森の中でメロンヘッドらしき生物を発見した。それを追いかけていた若者たちは、森の中で道に迷い、やがて一人の男に出会ったという。

 男は第二次大戦中に核兵器の開発に携わっていたが、そのせいなのか頭部に奇形を持った子供が生まれたのだという。つまり、若者たちが目撃したメロンヘッドは彼の子供ということだ。男は、「子供たちのことを黙っている代わりに、政府から大金をもらって隠れ住んでいるのだ」と説明し、若者たちにもこの場所について口外しないように求めた。

 しかし、男の案内で町に戻ることができた若者たちは約束を守らず、自分たちの目撃したメロンヘッドについて友人たちに自慢した。彼らは、もう一度メロンヘッドを見つけるために森に入ったが、そこにはなぜか大勢の警官たちがいたという。警官たちはメロンヘッドなどただの噂だと一蹴し、若者たちに家に帰るよう言った。だが若者たちが断ると、彼らは警察署に連れて行かれ、両親を呼ばれたという。若者たちは政府による隠蔽が事実だと知った。