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飫肥で最も格式の高い屋敷「豫章館」
鯉が水路を泳ぐ後町通り
飫肥で最も格式の高い屋敷「豫章館」
大手門通りに出ると、小村寿太郎記念館の向かい側に格調高い武家屋敷「豫章館(よしょうかん)」があります。ここは、大政奉還後の1869年に飫肥藩第14代藩主の伊東祐帰が藩知事に任命されてから、13代藩主だった父の祐相とともに移り住んだ屋敷。飫肥城内の奥御殿から御殿を移築して改修を行なっており、城の建物の様子を伝える数少ない施設となっています。
千鳥破風の屋根を構えた屋敷の玄関は、元・お城の風格が漂う立派なもの。入り口の庇には「庵木瓜紋(いおりにもっこう)」と呼ばれる、伊東家の家紋が彫られています。屋根のある小屋の中に4弁の唐花を描いたデザインをぜひ探してみてください。
建物の南側には武学流の作庭といわれる枯山水式庭園が広がっています。広い庭には飛石がめぐり、庭石や石灯籠の配置も見事。庭木の中には大きなソテツもあり、南国の空気が漂います。庭園から見る屋敷の姿も立派です。
豫章館の敷地の奥には、数寄屋(茶室)があります。風が吹き抜ける茶室の裏には、酒谷川が流れています。こちらで川の流れや豊かな山並みを眺めながら、一服の茶を楽しんだのでしょうか。何とも風流です。
豫章館
- 住所: 宮崎県日南市飫肥9丁目1番地1
- 開園時間: 9:30~17:00(最終入園時間 16:30)
- 定休日: 12/29~12/31
- 入館料: 大人 300円/高校生・大学生 200円/小・中学生 100円
- 公式サイト(日南市観光協会):豫章館
鯉が水路を泳ぐ後町通り
豫章館から2、3分ほど南へ歩くと、伝統的な建造物が並ぶ後町通りがあります。道の脇には掘割がのびており、清らかな水の中には色とりどりの鯉が泳いでいます。
城下町らしい立派な家々と、どっしりした石垣のかたわらを泳ぐ鯉たちは、優雅そのもの。穏やかな時間が流れる美しい道にいつまでもたたずんでいたくなります。車に注意しながら、風情ある通りの散策を楽しんでくださいね。