目次
5. ひろめ市場を楽しむためのコツ
6. ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくす!

5. ひろめ市場を楽しむためのコツ

ひろめ市場はそれほど広い場所ではないのですが、筆者が初めて行った時にはその独特の空気感に圧倒され、また、ルールもよくわからず、ちょっとアタフタした記憶があります。

そこで今回は、あらかじめ知っておくとよりゆとりを持ってひろめ市場を楽しめるというコツをいくつかご紹介します。

1. まずは席を確保!

何といっても、席の確保が重要です。迷っている間にどんどん席が埋まっていきますので注意! テーブルや椅子は市場内のあらゆる場所に配置されていますが、もしひろめ市場の雰囲気を存分に味わいたいならば、最大の広場である「お城下広場」、または2番目に大きい「自由広場」のいずれかに席を確保することをおすすめします。この2カ所ならば、場内で迷ったときにも戻りやすいというメリットもあります。

2. 場内はわかりにくいので注意!

ひろめ市場の場内は、8つのブロックに分かれていますが、正直なところ店舗の配置が複雑で、何がどこにあるかわかりやすいとは言えません。とはいえ、そのカオスはひろめ市場の魅力の1つ。あてもなくブラブラと歩いたり、迷ったりすることこそ、ひろめ市場の楽しみです。

効率的に回りたいという場合には、市場内の案内所で簡単なマップをもらい、席の場所とお目当てのお店の位置を確認しておけば万全です。

3. ひろめ市場のルールを知っておこう!

ひろめ市場独自の「暗黙の了解」についてまとめていますので、ぜひ事前にチェックしてくださいね!

  • ひろめ市場はフードコートなので、どのお店から食べ物・飲み物を持ってきても構いません。ただし、一部の店舗の内部や、店の目の前にある席では、その店舗のみの飲食に限るとしているところもありますので、注意してください
  • 市場外からの飲食物持ち込みは厳禁です
  • 出来上がるまでに時間がかかる食べ物の場合は、できたら席まで持ってきてくれる店舗もあります。テーブルには番号がついていますので、確認してから注文に行きましょう。自分の席の番号をスタッフに伝えたら、すぐ次の店に買いに行けますよ
  • 食べ終わった食器などはそのままにしておいてOK。巡回している片付け専門のスタッフが回収してくれます
  • ひろめ市場では相席文化が当たり前。空席があれば、遠慮せず「お隣いいですか?」とお願いしましょう。逆に、自分の横の席も、快く譲ってくださいね

6. ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくす!

さて、それではいよいよ実食してみましょう。高知の文化に惹かれて東京から移住し、ひろめ市場にも度々通っている筆者のおすすめ店舗をご紹介します。

1.「明神丸」のわら焼き鰹たたき

ひろめ市場のシンボルといえば鰹のたたき。まずは豪快にわら焼きをしている炎が目印の明神丸です。 店舗の前には、いつも行列が絶えません。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

一見、軽やかに見えるわら焼きの作業ですが、ずっしりとした鰹を一度に何本も操るのはなかなかのハードワークです!

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

明神丸では、塩たたきを頂きました。焼いたばかりの鰹に高知県幡多郡黒潮町産の天日塩を振り、高知特産のゆず果汁をつけて食べる塩たたきは、焦げた皮が香ばしく、そのあとに鰹そのものの味がダイレクトに響きます。高知に来たなぁ!と感じる一瞬と言っても過言ではありません。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

この人気店を仕切るのが店長の藤本さん(写真右)。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

「出来立て、焼き立てを食べて頂きたいので、ご提供するまでの様子がわかるライブ感を大事にしています。明神丸では、脂のノリの良い、戻り鰹のみを使用して、たたきを提供しています」

独自の急速冷凍技術によって、どの季節でも最高の状態の戻り鰹を提供できるという明神丸。ひろめ市場店では多くの若いスタッフで活気に満ちています!

2.「やいろ亭」の鰹のたたき

店頭に掲げられている「うちのタタキは高知で一番美味しいと勝手に思うちゅう」のメッセージがインパクト大! こちらも鰹のたたきで大人気のやいろ亭。絶品のたたきを求める客でいつも賑っています。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)
ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

鰹はすべて本ガツオ。そのこだわりについて答えてくれたのは、女将の島崎さんです。

「高知の人は鰹にかけるお金と情熱が半端じゃないし、県外からもたくさんお客さんが来るので、期待に応えられるたたきしか出しません」と、なんとも力強いお言葉!

さらに、「良いたたきのためには、仕入れが命。でも、鰹は品質の見極めが一番難しい魚です。業者さん泣かせやけど、ものすごく厳しい基準でチェックして、ちょっとでも悪いものは絶対仕入れない」とのこと。お客さんを喜ばせよう、という強い気持ちがヒシヒシと伝わってきます。

やいろ亭では、ポン酢ダレで頂きました。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

ふんわりと香ばしい鰹に、さわやかな柑橘が香るポン酢ダレ。柑橘王国、高知ならではのフレッシュな味わいで、塩たたきとも甲乙つけがたい。

ここに来ると鰹のたたきの概念が変わるともいわれるひろめ市場、ぜひいろいろなお味を試してみて下さいね。

3.「しもだ屋」のうつぼ料理

ヘビにも似た見た目や、どう猛な性格から「海のギャング」とも呼ばれるうつぼ。どう見ても美味しそうには見えないこの魚が、食べてみれば実に繊細で奥深い味わいであることに驚かれることでしょう。

お城下広場の「しもだ屋」では、このうつぼを気軽に食べることができます。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

まずは、「唐揚げ」をどうぞ。うなぎに似たコクのある白身がさっくりと揚がり、こんなに美味しい魚だったのかと驚かれることでしょう。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

一方、「たたき」は、皮との間にあるコラーゲンがたっぷり。ゼラチン質のこってりした旨味をダイレクトに感じられます。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)
ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

オーナーの下田さんによれば、最近、特にうつぼ料理の人気が急上昇しており、仕入れが困難なときもあるそうです。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

タイミングによっては入荷されない日もあるので、もし、しもだ屋でうつぼ料理を見かけたらラッキー!ぜひ試してみてください。また、しもだ屋ではくじらの竜田揚げなども人気の一品。うつぼなどと合わせて楽しんでくださいね。

4.ひろめで安兵衛の屋台餃子

ひろめ市場の自由広場に、ひときわ目立つ赤い看板。

安兵衛は創業昭和45年、高知の屋台から始まり今では高知名物と言われる屋台餃子の元祖です。その餃子はお酒のアテとしても、飲みの締めとしても食べやすい!と大評判になり、現在に至るまで、変わらず愛され続けています。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

その名物の餃子、食べてみると、これまで経験したことがないほど、薄くてサクサクとした皮にまずビックリ! 一方、中身はジューシーな餡がぎっしりと詰まっていて、小ぶりなのに食べ応えは十分。その食感の良さに、ついつい何個も手が伸びてしまいます。

ビールとは最強の取り合わせであることは言うまでもありませんよね。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

創業以来、材料を刻み、混ぜて、包んで焼くまでの工程がすべて手作業というから驚き。ニラとしょうがはもちろん高知県産、その他の野菜や肉などの材料も、すべてその時期に最良のものを取り揃えているそうです。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

しかも、お客さんの注文を聞いてから餃子を包み、一人前ずつ焼き揚げるこだわり。

いつでも出来立ての美味しさが味わえるのが嬉しい限りですね。

飲み会の締めは安兵衛で!と決めている高知人も少なくありません。「ひろめで安兵衛」の餃子は、ここに来たら外せない逸品です。ぜひお試しくださいね。

5.千松(くじら料理)

かつて捕鯨が盛んに行われていた高知県では、現在でもくじらを食べる文化が根付いています。一般的にはなかなか食べる機会が減ってきたくじらですが、ひろめ市場では、数店舗でくじらを試すことができます。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

中でもくじら料理に特化して、あらゆる部位が頂けるお店がこの千松。メニューには珍しいくじらの部位がずらっと並びます。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

まずはシンプルなくじらの刺身を試してみましょう。凍ったまま出てきても驚かないでくださいね!くじらは凍ったまま頂くのが通常です。といっても、口に入れたとたんに溶けてきますのでご安心を。臭みは全くなく、コクのある味わいです。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

スタッフの方のご説明によれば、「くじら料理では、ビールに合う竜田揚げや串揚げなども人気のメニューです。特に県外からのお客様は、こんなに安く、色々なくじら料理が食べられるなんてすごい!と、驚かれることが多いですね。喜んで頂けて嬉しいです」とのこと。

ぜひ珍しい部位も試してみたいものですね。

6.仕出しのあんどう(さば寿司、くじら料理)

県内に数店舗を展開する人気店、仕出しのあんどう。中でもこのひろめ市場店では、高知県の素材と味にこだわった料理が大好評です。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

お店を仕切る取締役・女将の安藤さんによれば、「鰹で有名な高知ですが、実はサバもとっても美味しいんです。もっと皆さんに知って頂きたいですね。他県でもサバ寿司はありますが、高知では一匹まるまる使用するので、とても肉厚で食べ応えがあります」とのこと。

実際にサバ寿司を頂いてみると、肉厚の身に、焦がし加減がまた抜群。さらに高知特産のゆずや大、しょうがの利いたシャリがサバを引き立てて、超美味です!

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

そして珍しいくじら料理もおすすめメニュー。特に「畝須(うねす)、皮須(かわす)、筋(すじ)」の3種盛りは、主に胸から腹にかけての部分で、部位によって味も価格も大きく異なるというくじらをいっぺんに楽しめます。お醤油、お砂糖などのシンプルな味付けは、女将の手作り。ほっこりと温かい味わいです。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

その他、田舎すしや青さの天ぷらなど、高知特産のお惣菜ももりだくさん。ぜひ高知県のグルメをまるっと堪能してください。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

7.「日曜市のいも天」のスイーツ

高知市内で300年以上の歴史を持つ日曜市。そこで昔から愛されてきた甘味が「いも天」です。そんないも天をいつでも食べられるお店が、2022年、はいから横丁に誕生しました。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

さつまいもを衣で包んで揚げたシンプルないも天。ほくほくとした自然な甘さとサクサクの衣が絶品の、高知のソウルフードの1つです。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

高知が好きで都会から移住してきたという、店長の矢原さんによれば、「四国でとれる金時系のさつまいものみを使用しています。いも天の美味しさと食感の秘訣は、社内でも製法を知っている人はほとんどいないほどの秘伝の衣。これは絶対ご家庭では真似できません。たくさんの県外からのお客様のほか、地元の固定客の方も増えてきています」とのこと!気になりますね。

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

いも天のほかに、ガリあじ(ニンニク味のアジの唐揚げ)などおつまみ系の揚げ物も好評だそうです。そして、ひろめ市場店だけのオリジナル「いも天アイス」も超おすすめです!

ひろめ市場で土佐の食文化を味わいつくしてきた
(画像=『たびこふれ』より引用)

バニラアイスといも天という、シンプルで悪魔的な組み合わせ、美味しくないはずがありません。ひろめ市場食べ歩きの締めにぜひいかがでしょうか。