■ 参考先は運営者匿名のまとめサイト?

 「コミュニティノート」にリンクされたサイトは、一見するとニュースサイトや情報サイト。しかし、実態は飲食店のメニューだけをまとめた、いわゆる「まとめサイト」のようなサイトでした。

 運営者情報も調べてみましたが、運営者名はハンドルネームらしきものが記されているだけであり、その他情報は不明。問い合わせフォームや、公式SNSすらありません。つまり運営者が完全正体不明のサイトでした。

 掲載されている内容も、独自文章は「サイゼリヤは○月○日にメニューをリニューアル。○○が登場しました~」といったものが2~3行書かれているだけであり、あとはサイゼリヤから転載された画像がメインで、出典としてサイゼリヤの公式ページがリンクされていました。

 つまり画像は公式からの転載という意味であり、独自文章もあまりに少ないことから、わざわざこのサイトをソースとする理由が見当たりません。

 せめて4本リンクされた中の一つならば、まだ補足資料として成り立つかもしれません。しかし、4本中4本全てがこのサイトというのは、ソースとしては明らかに力不足であり、「ステマ目的」と疑われても仕方ありません。

 この場合、もし参考先とするなら、サイゼリヤ公式にあるリリース、リリースに準じて紹介された大手ニュースサイトの記事などのほうが、まだ適切であり信用度も高いでしょう。サイトの身元もハッキリしていますし。

 厳密に言えば「ステマ」は、業者から「対価」をもらって成立します。しかし、このような騙し討ちのような誘導も広義に「ステマ」と捉える風潮があり、たびたび問題になります。

■ 今後「コミュニティノート」はどうなるのか

 さて、このような手口は、実は今に始まったことではなく、昔から存在する実に「アナログ」な集客方法です。

 たとえば、大手巨大掲示板の人気スレッドにURLを貼ったり、SNSの人気コミニュティにURLを貼るという手法。もはやPVを獲得するためのスキームとしては、「飛び込み営業」並の常套手段。

 それが新たにこの「コミュニティノート」にも使われる流れは、よく考えれば誰でも考えつくことです。

 「コミュニティノート」は有志によって作られるものであり、有害か無害かは、客観的にわかりにくい面があります。だからこそ「信頼」が重視され、協力者の人たちも苦心している点。ステマに利用されたからといって、全てを封じてしまえば、サービスそのものの、利用価値が失われてしまいます。

 この問題について、Xはどのような対策を取るのか、協力者の人たちもどう対応していくのか。信頼が求められる場所だけに、今後の対策も注目されます。

■ 疑惑の「コミュニティノート」では説明に誤りも

 最後に余談ですが、上記で例として紹介したコミュニティノートでは、生ハムの説明で「枚数は変更せず値下げされています」と記していますが、「値下げされています」の部分は誤りです。

 コミュニティノートの記載にもある通り、サイゼリヤで2022年まで販売されていた生ハム「プロシュート」と、2023年から販売された生ハム「ハモン・セラーノ」は種類が異なります。枚数は同じではあるものの、ハモン・セラーノは「新商品」であり、前とは別の商品。これを「値下げされています」とするのは誤りです。

<記事化協力>
とあるコンサルタントさん(@consultnt_a)

<参考>
コミュニティノート概要(X)

※記事内容は公開時点の情報です。後に変更になる場合があります

文・たまちゃん/提供元・おたくま経済新聞

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