この経営統合は実現しない

インテルが米国カリフォルニア州サンノゼで開催した年次イベント『インテル Innovation 2023』(2023年9月19~20日)で、インテル8代目のCEOのPat Gelsinger氏が、次のように発言したという(2023年9月25日付EE Times Japan記事より)。

「半導体メーカーには3つのタイプがある。巨大であるか、ニッチであるか、それとも消えるかだ。インテルはニッチなメーカーでいるには大き過ぎる。それ故、“超巨大”であり続けるしかない」

キオクシアとWDは、インテルほどではないにしてもニッチではないから、巨大でなければならない。そして、半導体は(特にメモリは)規模がモノをいう世界である。したがって、キオクシアとWDは是が非でも経営統合を実現させる必要があるだろう。

しかし、ここまで説明してきて最後にちゃぶ台返しをすることになって申し訳ないが、この経営統合は無理である。というのは、これは一種のM&Aであるから、世界9カ所での独占禁止法の審査を受けなければならない。その際に、中国が間違いなく承認しないからだ。正確にいうと、中国は「Yes」とも「No」ともいわず時間切れとなって、M&Aが不成立となる可能性が極めて高い。これは、キオクシアとWDの関係者だってわかっていることではないのか。それなのに、降って湧いたように経営統合を進めようとする理由が、今一つ筆者にはわからない。

(文=湯之上隆/微細加工研究所所長)

提供元・Business Journal

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