
サイト「amazon.co.jp」より(画像=『Business Journal』より)
米連邦取引委員会(FTC)は9月26日、米アマゾン・ドット・コムを反トラスト法(独占禁止法)で提訴した。小規模出品事業者に課せられる多額の手数料のほか、競合サイトで安く出品した際のペナルティ的な措置が提訴理由のようだ。一部報道では出品者に売上の50%以上を支払わせる場合もあると報じられているが、実態はどうなっているのだろうか。ECサイトでの出品代行やコンサルティングなどを行う株式会社ネットショップ総研の幅貴道氏に、「amazon.co.jp(アマゾン)」における手数料の詳細や出品者側に求められる戦略について話を聞いた。
【こちらの記事も人気です】
高い手数料とペナルティで提訴される
反トラスト法は日本の独占禁止法にあたり、自由競争を抑え市場を独占しようとする企業を訴える際に用いられる。「反トラスト法」という名称の法律はなく、同法は複数の法律から構成される。今回アマゾンが訴えられたのは、主に次の2つの行為により反競争的な戦略をとっていると判断されたためだ。
・販売手数料や配送料などさまざまな手数料を出品者に課した上で、「プライム(Amazonプライム)」などの対象にするには追加の手数料を支払わせるようにした。
・アマゾン以外のECでより安く販売した出品者に対し、検索で表示されにくくするなどのペナルティ的措置を取った。
事実ならば、こうした施策は販売コストを引き上げ販売業者の競争力を下げることになるだろう。ロイターの報道によると、FTC関係者は「アマゾンは独占的な力を利用して、ECで買い物をする家計と、アマゾンを利用する販売業者の双方に害を及ぼしている」といった趣旨の発言をしている。もちろんアマゾン側は反対しており、同社は「小売業界全体の競争とイノベーション促進に役立っている」などの主張を行っている。